中公文庫
ドラキュラ伯爵―ルーマニアにおける正しい史伝 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 323p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122041189
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C1123

内容説明

ブラム・ストーカーの名高い伝奇小説『吸血鬼ドラキュラ』のモデルとして世界的に知られる、ルーマニアのワラキア公ヴラッド・ツェペシュ伯爵とは何者なのか―。祖国の統一と独立に献身したワラキア公の業績を歴史的に究明し、フィクションの「ドラキュラ」との差異にも言及する、出色の評伝。

目次

第1章 ツェペシュ公の家族、青年時代と最初の治政(一四四八年)
第2章 ヴラディスラヴ二世の治政(一四四七~一四五六年)、ヴラッド・ツェペシュの追放と復位(一四五六年)
第3章 ヴラッド・ツェペシュの国内政策
第4章 ヴラッド・ツェペシュとシュテファン大公
第5章 ワラキアとトランシルヴァニア、ハンガリーとの関係
第6章 ヴラッド・ツェペシュの一四六二年、対モハメッド二世戦の勝利
第7章 ヴラッドの失墜と逮捕
第8章 一四六二~一四七六年間のワラキア。ヴラッド・ツェペシュの最後の治政。公の死(一四七六年)
第9章 ルーマニア人のみたヴラッド・ツェペシュ
第10章 ドラキュラという異名の登場

著者等紹介

ストイチェスク,ニコラエ[ストイチェスク,ニコラエ][Stoicescu,Nicolae]
1924‐。ブカレスト大学卒業。歴史学博士。中世史専攻。N・ヨルガ歴史研究所主任研究員

鈴木四郎[スズキシロウ]
1911(明治44)年、京都市に生まれる。高松高商(旧制)卒業。同盟通信、共同通信で二十九年間ジャーナリストとして活躍。日本・ルーマニア友好協会理事長。1992(平成4)年、逝去

鈴木学[スズキマナブ]
1951(昭和26)年、東京都に生まれる。1975(昭和50)年、ブカレスト大学歴史学部卒業。1979(昭和54)年、ブカレスト大学大学院修了。歴史学博士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】

21
*評伝・吸血鬼*吸血鬼ネタの小説読解の為読了。名高い伝奇小説「吸血鬼ドラキュラ」のモデルとして世界的に知られるルーマニアのワラキア公ヴラッド・ツェペシュ伯爵とは何者なのか?その業績を歴史的に究明し、「ドラキュラ」との差異にも言及する、出色の評伝!?――"串刺し公"の名で有名なトランシルヴァニアの大英雄。しかし彼を悪しざまに言うウワサのほとんどは、敵国が流布したイメージ戦略・情報戦によるものが多い。 ⇒続き2013/09/25

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

7
購入は2003年、読了は2007年以前。原著は1976年、邦訳は1980年。著名な「ドラキュラ伯爵」のモデルとなったブラッド・ツェペシュについてルーマニアの歴史学者が書いた本。オスマン、オーストリア両帝国に挟まれた小国・ルーマニア・ワラキア公国の君主として多難な人生が書かれていて、決して残虐なだけではなかったようだ。ドラキュラという異名の由来や、「串刺し公」の元ネタになった史実についても、当時なりの情報戦が窺える。現代でも戦争をするためのプロパガンダが盛んだが、500年以上も変わっていないことが判る。

あくび虫

5
概観してみれば、ブラド・ツェペシュの人物像に目新しさはありませんでした(少し古い本ですし)。大変きちんとした読み物なので、一読すれば、いわゆるドラキュラとブラド・ツェペシュを混同することは二度となくなります。ここから吸血鬼ドラキュラを生み出す世の中の方が、よっぽど物凄い。――当時の東欧の倫理観念の低さには興味津々です。イギリスはとっくに議会を設置し、神聖ローマは永久ラント平和令を出し、中国は明朝……。人々が、ドナウの向こうに幻想を抱くのは、至極ごもっともです。2017/02/09

元気伊勢子

2
ずっと積読してあった。ブラム・ストーカー作のドラキュラ伯爵と本書のヴラド・ツェペッシュ公は、全くの別物。以前読んだ時は、そこが理解できなかった。内容も、ちんぷんかんぷんな状態で読んだが、本に出てきたキーワードを元に、色々読んでみるのも、面白そうだ。自分が、井の中の蛙であることを、実感させられたと同時に楽しみが増えた。2020/09/05

左近

1
本書はルーマニアで1976年に出版され、1978年に英語版が、そして1980年に初邦訳という流れになる。吸血鬼ドラキュラのモデルとされるワラキア公ヴラド・ツェペシュの生涯を辿り、祖国を侵略から守った英雄が何故、怪物扱いされるに至ったかを探る。キリスト教世界とイスラム教世界の境目という、微妙かつ不安定な国に生まれたことが、彼の不幸をもたらした原因の一つか。そして、人間を動かすのは信仰や条理ではなく、権勢欲や経済的実利であることがよくわかる。どうやら、罪が最も重いのはハンガリー王らしい。2015/06/21

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