内容説明
公家の庶子として生まれた植松頼助は祇園社の神灯目付役として境内や町の警護に務める日々を送っている。祇園まつりを二日後に控えた日、大雲院の屏風絵が年ごとに消えてゆくという不思議な噂を耳にした彼はさっそく現地へ向かうが、そこで奇妙な男に出会う…。剣の達人が京の難事件を解決する連作四篇。
著者等紹介
沢田ふじ子[サワダフジコ]
昭和21年(1946)、愛知県に生まれる。愛知県立女子大学卒業後、教師、西陣綴織工を経て作家生活に入る。『石女』で少説現代新人賞を、『陸奥甲胄記』『寂野』で吉川英治文学新人賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
onasu
18
同氏の「公事宿」シリーズをゆっくり読もうと、9巻で止めているのに別のものに手を付けてしまうとは! てなことはさておき、江戸時代後期の京都が舞台で、同じく事件簿との副題が付され、主人公もどうにもだぶってしまうが、それでも楽しく読めてしまうのは、澤田さんの造詣の深さと巧みな綴り。年越しや祇園祭の編では、土地勘はないものの情感は浮かんできて、その世界に存分に浸れる。 表題作は、やや説明がやや冗長な感もあったが、つかまってしまった感もあり、続編に進むとしよう。2016/06/12
ベルるるる
1
京都の歴史や神社の歴史、その背景、それらの説明が多い。そんな教科書みたいな部分が多過ぎ。シリーズの1巻目だから、説明せざるを得ないのかもしれないけど、登場人物の影が薄くなってしまってる。2巻目に期待しましょう。2015/06/22
まゆ子
1
★★☆☆☆2014/11/06
mogumogu
1
久々の再読です。主人公の「神灯目付役」というお役目が目新しく、江戸時代の京都の風情が満喫できる、しっとりした雰囲気がお気に入りです。2012/06/24
きくちゃん
0
本筋とは別だが蓬田やすひろ氏のカバー画が小説の雰囲気を如実に醸し出して秀逸。筒袖に伊賀袴をはき黒塗りの笠に面垂れをつけて目だけを現しているという主人公の異様な風体は「祇園社の神灯目付け役様は神のお使いじっと見つめたら罰が当たりますえ」という京の人々の言葉が職業の神聖さを象徴し、市井から敬いの存在であることが分かる。ひとたび事件が起きて主人公と相対する心理を想像してみたが、相手はこの異様な風体に怯み必ずやその眼光に射すくめられるであろう。時代背景を解説する手法も作品に奥行きの深さを与えており稀な傑作である。2017/12/14
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