内容説明
老父ノブちゃんと老母ヨシ子さんと暮らし始めたのは二人が70代に入ってから。両親の敷地内に家を建てゆるやかに始まった同居は、やがてノブちゃんの死によって、母を見守る日々となる。母の同窓会、句作生活、おいしいもの、朝寝のたのしみ、オレオレ詐欺、そして母との「二人句会」。俳句を通して会話する百歳の母との日々をユーモアを交えつつ綴るエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
27
☆☆☆★ 俳句は認知症予防にも効果があると思う。嵐山光三郎の母「ヨシ子」さんの詠む俳句は、素朴で「ゆうゆう」とした味わいがあって良かった。そして母と息子の俳句を通じた交流がほほえましい。春の夢あの世この世の人のかげ、九十にふたつ増やして年の豆、戸を繰ればまさかまさかの雪積る、皺ふえるわが手勤労感謝せり、黙祷の一分長し終戦日、新蕎麦のあとのそば湯を待ちてをり。2019/08/05
貧家ピー
7
母 ヨシ子さんは62歳から句作をスタート。 俳句の念力で生きているヨシ子さんとの生活をほのぼのと綴った。夫を亡くした後や歳を重ねながら句集を作り元気を取り戻す所に、何か熱中する物を持つ大切さを感じる。 子に貰う年玉袋ごと貯むる 菅笠を目深にすすむ風の盆 九十にふたつ増やして年の豆2019/04/19
chuji
2
久喜市立中央図書館の本。2019年3月初版。初出「温泉旅行記」(2000年12月)「おはよう!ヨシ子さん」(2008年7月)「コンセント抜いたか」週刊朝日連載をもとに構成し、大幅に加筆・修正。オイラは俳句はようわからんが、ほのぼのとした老老介護?2019/07/24
みさこ
1
★★★☆ 俳句が頭の体操になっている、すごいぞ!ヨシ子さん!2019/08/08
ekoeko
1
百歳のヨシ子さんと七十五歳の著者が俳句で会話したり日々のエッセイ。本名が祐乗坊美子さんと祐乗坊英昭さんだなんて珍しい苗字にびっくり。2019/07/17