感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sakura
10
1920年に韓国との融和政策として韓国皇太子英親王に嫁いだ梨本宮方子妃。昭和天皇の妃候補であったのがいきなり朝鮮李王家の妃になるとは、当時の差別的な風潮を鑑みるに相当なショックであったことが伺えるが、「何事もお国のため」と覚悟を決められる様子がいじらしい。戦後、日本からも韓国からも見捨てられ、無国籍となり、財産を没収され、「竹の子生活」となった話には胸が痛くなった。晩年は韓国の障害児教育に取り組まれ、「韓国のオモニ」と受け入れられるまでとなり、韓国に骨を埋められた。素晴らしい方だと思った。2024/01/27
りゅっく
5
日本の皇族から韓国皇太子英親王に嫁いだ梨本宮方子妃のお話。浩さんは有名なのでよく知っていて、方子さんの存在も、ちらりとは知っていたけどちゃんと知ったのははじめて。夫の英親王は伊藤博文につれられてわずか11才で留学という名目のもと、日本へ連れてこられる。かたや方子、裕仁親王のお妃候補だったのが、山県有朋により不妊症と決めつけられて李家断絶の目論見のもと、白羽の矢がたったという。なんと恥ずかしき先人たちの愚行。それでも二人が夫婦仲良く、子宝にも恵まれ、夫亡き後も韓国の地で亡くなった誇り高き日本人女性、素敵です2020/11/29
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