内容説明
ひっそりと隠れているもの、身辺にいるのに見えないもの、見えているのに気付かない人。…お化けはさまざまな場所に、千差万別の形をとって存在している。彼らはこの世とあの世を結び、人の運命を変えてゆく。著者の体験を中心に綴る不思議旅。お化け二十二話。
目次
妖怪のミイラ
ざしきわらし
小豆はかり
河童
ぬらりひょん
さざえ鬼
たたりもっけ
奇人・変人
怪人
宇宙人
エネルギー泥棒
時間金持ち
場所の怪
蝶になった少女
奇妙な力
予期せぬ出来事
器物に宿る霊
ツキモノの呪い
使者の招き
霊魂の世界
この世とあの世
死について
著者等紹介
水木しげる[ミズキシゲル]
本名武良茂。大正11年、鳥取県境港市生まれ。武蔵野美術大学中退。太平洋戦争中、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、漫画家を志し、昭和40年『テレビくん』で講談社漫画賞を受賞
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感想・レビュー
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トムトム
24
しょぼい作り話の怖い本を読むより、この本の方がゾワゾワするかもしれません。不思議な世界はあるのかなぁ。こちらの感じる力の問題だったら、それを鍛えて感じる人になってみたいと思います。どう鍛えるのかは謎!2021/06/17
えこ
16
水木先生は妖怪漫画を描いていたから常に不思議世界と隣り合わせだったのかな。人に話したくなる奇跡体験をたくさんしておられます。面白い。2018/06/27
ジョニーウォーカー
4
水木先生が、妖怪をテーマに、この世のあらゆる事象について語りつくす、摩訶不思議なエッセイ集。しかしこの人の手にかかると、どんな事柄も怪しい光を放ちだすから面白い。かといって、常人には理解できぬあまりに突飛な説を展開することもなく、とくにミイラや宇宙人についての考察は「なるほど」と思わず唸らされるものばかり。妙に説得力もあるものだから、しまいには「妖怪って本当にいるのかもしれない」そんなことを本気で思いはじめているからこれまた不思議なのである。2008/10/12
りんふぁ
3
図書館追悼コーナーにて。日本だけでなく、海外でも妖怪にあってる水木さん。ここまでくると妖怪に愛されてるように感じるなぁ。2016/01/19
SKH
3
水木しげるの不思議体験記。あちら側の世界の住人でもある水木先生は妖怪とか仙人の類で畏敬の対象。同属の「つげ義春」さんとのエピはエンデの「モモ」とリンク。スローライフってレベルじゃない。少年期の話でホッコリ、「たたりもっけ」でビビり、戦争時の不思議体験はもの悲しく幻想的な話が大半だが、糞飯、マンゴで呪いなどの笑える話との落差は凄まじい。198X。2013/03/26