出版社内容情報
後醍醐帝崩御から十年後。夜空に雷光が走りぬけ、将軍塚が鳴動、清水寺が焼亡するなど、京に不吉な現象が続く。磐石の尊氏政権に再び騒擾勃発か……。
内容説明
貞和五年、後醍醐帝崩御から十年後のこと。将軍塚が鳴動し、清水寺が焼亡、巽の方と乾の方より雷光が走ると、京に不吉な現象が続く。南朝の残党を追いながらも磐石な体制を築いた足利尊氏に、新たな敵が現れる前兆か―。平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てつのすけ
39
学生時代に学んだ歴史では、足利尊氏により室町幕府が成立したということを学んだが、本書を読み、幕府は成立したのかもしれないが、安定した運営は、三代将軍義満になってからということがわかった。また、尊氏が征夷大将軍となったからといって、戦がなくなったわけでもなかったということも初めて知った。2020/05/24
fu
20
昨日の味方は今日の敵。血を血で洗うとはこういうことか。栄華を極めたとしても残るのは虚しさではないか、とラストシーンの尊氏の顔を見て感じた。太平とは程遠い戦乱を描いた話でした。2015/12/12
花林糖
17
(図書館本)後醍醐帝没・尊氏没。上・中・下巻全て生々しさ血腥さ沢山で途中流し読みあり。漫画で読んでいてもやはりこの時代は苦手でした。 2017/06/14
aisu
13
後醍醐天皇が崩御して、足利尊氏が亡くなるまで。色々あるが私には要約できない・・・^^;手を組んでたはずの人同士もいつの間にか戦ってるし(読解力不足)。とりあえず南北朝が終わって「室町時代」ですな。このマンガでは後醍醐天皇はわかり易かったが、足利尊氏(とその周りの人々)って私には行動理由とかよくわからないでした。一応説明されてるけど。2023/09/03
あんさん
10
下巻は、後醍醐帝の叡山行幸、義貞の北国落ち、後醍醐帝吉野へ一天両帝、北畠顕家の死、義貞の死、後醍醐帝崩御、塩冶判官讒死、四条縄手合戦、観応の擾乱、尊氏の死まで。敵味方が入り乱れ、ころころと入れ替わる。だいぶ筋を端折っているのだろうが、太平記を読んでいて混乱するところ。中巻下巻と尊氏が主人公。尊氏が勝てたのは最後は人が付き従ってくるだけの、何らかの人望があったのか。忠臣蔵を浄瑠璃にする際に人物などを仮託した塩冶判官の話は、初めて詳しく知ることができた。2025/02/24