出版社内容情報
頼朝の死。頼家、実朝の暗殺。政子が鎌倉の長となり、北条による執権政治が始まる。御家人の動静をきめこまかに追いながら武家政権確立の時代を描く。
内容説明
頼朝の急逝に日本全土がざわめきたつ。公家を巻き込んだ合従連衡が繰り返されるなか、二代将軍・頼家は謀殺され、実朝もまた凶刃に倒れる。源家の将軍が絶えたいま、鎌倉の実権は誰の手に―。『平家物語』の世界から『太平記』の時代への懸け橋ともいうべき“歴史長篇”完結。平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さぜん
48
「吾妻鏡」から欠落している部分をほぼ推量によって創作したと注記がある。頼朝の死から頼家、実朝、そして北条政権へと移る激変を見事に描く。相当数の登場人物を描き分け、当時の服装や建築物もしっかり描き込まれクオリティの高さが半端ない。あとがきに「義時vs実朝vs後鳥羽の三角関係を描きたい」とある。それも思い切り感情的に。マンガだからこその面白さを堪能した。2024/08/26
たまきら
37
疱瘡を患った後の実朝が表紙。冒頭では頼朝の死が描かれています。歌を愛した若者の非業の死。妻であり母であった政子の子どもを失った後の執念…。著者の後書きがまた面白かった。公暁の男色は創作だと思うけれど、この著者らしいなあ、とにやり。いや、駆け足だけれど情熱をこめて描かれた素晴らしいマンガでした。面白かったです。2024/02/08
てつのすけ
35
頼朝が亡くなって以降、より理不尽な政権運営がなされていったと思う。安定するまでは仕方がなかったのかもしれないが、この時代に生きていれば、何と生きにくい時代であったろうか。しかし、現代も生きにくい世の中であることを考えると、庶民は、いつの時代も生きにくいのであろう。2020/02/10
荒野の狼
30
マンガ日本の古典(全32巻)シリーズの14-16巻は竹宮恵子による「吾妻鏡(上・中・下)」。下巻の表紙は源実朝で天然痘(疱瘡)にかかった後のもので、顔に複数の褐色の点があるのはそのため。冒頭は吾妻鏡に欠落している部分を「推量で創作」したものだが、大姫、頼朝の死など、物語・歴史上、重要なエピソードが漫画化されており、読者としては嬉しい。二大将軍頼家、三代将軍実朝が対照的な性格であり、本書は実朝がナイーブな青年として好意的に描かれている。2023/12/12
みっちゃんondrums
30
謀反を作り上げては排除する、の繰り返しの末、北条氏政権は磐石となる。どれだけ優秀でも忠誠心があっても、目障りになれば消される。将軍さえも。源実朝は、創作欲を刺激するキャラなんだろうな。私も興味深い。公暁の衆道の場面が控えめに描かれている。竹宮先生の面目躍如だね。2019/05/09
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