内容説明
キリシタン嫌いの夫人を離別し新夫人を娶って、フランシスコの教名で改宗した大友宗麟は、キリシタンの理想郷を目ざし日向に進出する。島津軍と合戦史上名高い耳川で戦い、敗れて豊後へ戻る…。フロイスはこのころ、豊後で布教に従事しており、その記述は詳細をきわめる。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タキタカンセイ
8
大友宗麟の改宗と豊後の落日が描かれた巻。キリスト教に終始好意的でありながら自分は異教徒であり続けた宗麟。彼は「二階崩れの乱」で父を「倒した」ことが良心の呵責として残っていたのではないか。キリスト教徒になった時、宗麟はそのことも懺悔したのかも知れない。宗麟の改宗にあわせるように彼の王国は崩壊へと向かっていく。ここらへんはシェイクスピアのようでもある。どこまでが「史実」なのかはわからないが目撃者としての「物語」は大変に面白い。自分のご先祖(と思われる方)も敵役として登場していてその最期に思わず合掌しました。2023/10/07
うしうし
1
1563~1580年頃までを記述。耳川合戦敗やその後の豊後国内の状況が詳しく述べられている。宗麟は海路日向に向けて出兵するものの、再婚した夫人やカブラル神父を伴い、キリシタン国建設に傾倒する。嫡子義統は野津まで出兵するが、夫人や自身の受洗を望み、再び臼杵に戻ってくる。合戦敗退の報は、夫人の受洗準備中の深夜に義統の許に届けられた。義統は敗戦までは宣教師の保護に邁進するが、敗戦後は母親(宗麟の前夫人)の影響からキリスト教迫害に転じる。まさに迫真といえる豊後国内の戦後状況が手に取るようにわかる。2017/05/27
冬至楼均
1
宗麟って改宗してから落ち目になっている気がする。キリスト教が悪いというよりも、老いで判断力が鈍って宗教に嵌まってしまったというのが正しいのだろうけど。2013/12/10
godubdub
0
やや地味になってきた。フロイスの実体験に絡む部分だけに詳細になっているのだろうけれど,通しで読んでいると,このあたりが難所のような気がする。2016/03/13
もだんたいむす
0
2013.10.23 読了2013/10/23