中公文庫<br> 級友 三島由紀夫

中公文庫
級友 三島由紀夫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 190p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122035577
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C1195

内容説明

学習院時代の親友だった著者が応召入隊してから、平岡(三島)は毎週欠かさず便りを書き送った―。傾きはじめた日本の運命を見つめ、少年時代の悲劇を身に負って、ときに天を突く烈しい心をあらわす若き作家の肖像を、著者の手元に残った便りを引用しながら、深い哀惜をもって綴った名篇。

目次

第1部 土曜通信―三島由紀夫からの便り
第2部 平岡公威君の思い出

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かめあい

1
三島由紀夫の人となりを親友ならではの目線で描いた貴重な本。三島は凄く人たらしで魅力的な人だけれど、どこか人を突き放したような所があるように思えた。大西瀧次郎の言葉 日本精神について論ずる人々に特攻はやれぬ をとりあげて、三島は別だ。彼なら出来た。戦後二十五年、繁栄と平和の真只中でかの挙を断行するだけの精神力を彼は持っていた。という所が心にしみた。まだ色々良かった所があるのでまた読み返そう。変容の美しさ。2017/07/30

読書三餘

0
自決を否定するのではなく尊び、戦地に赴けなくなった不遇を執筆に向き合える好機として喜ぶ。〈彼の好意〉をありがたく思うといった記述がしばしば見受けられるも、文学に関する平岡公威との距離は素直に述べる。今でいうダチの温かみある交際の程が窺える。『土曜通信』はその一報ごとに受取人である筆者の感慨が挟まれ、筆者と共に若き青年の記録を追っていくような不思議な心境になる。解説しながら、当時の思いを噛みしめながら、約四十年越しに発露される友情が綴られていく。常に、あらゆるものに、観察を怠らぬ小説家がすでに生まれていた。2024/06/07

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