内容説明
島崎藤村『夜明け前』、吉川英治『宮本武蔵』、邦枝完二『女忠臣蔵』、菊池寛『有馬の猫騒動』、藤森成吉『渡辺崋山』など、昭和前期を代表する時代小説八篇を選び、詳細な時代考証批判を通して、江戸生活の種々相を克明に解明した、鳶魚の定評の考証。また大衆小説の将来への展開も予測する。
目次
島崎藤村氏の『夜明け前』
吉川英治氏の『宮本武蔵』
再び吉川英治氏の『宮本武蔵』
直木三十五氏の『明暗三世相』
三上於菟吉氏の『雪之丞変化』
邦枝完二氏の『女忠臣蔵』
土師清二氏の『旗本伝法』
菊池寛氏の『有馬の猫騒動』
藤森成吉氏の『渡辺崋山』
大衆小説は此処へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koishikawa85
4
大衆文芸評判記の続編だが、こちらのほうが多少読みやすい。わからないところも多いが、とにかく最後まで読んだ。こういうことは言わない、と指摘するだけで、じゃあどういうのかというところが提示されないのは前作と同じ。でも作家が江戸期の人々に近代人の考えを当てはめてしまっており、それを鳶魚が批判しているのはよくわかる。2022/06/19
えぬ氏もわるよのぉ
1
戦前の本だが江戸時代を研究する著者が時代小説の考証の誤りを遠慮会釈なく指摘しまくる。島崎藤村の『夜明け前』も、吉川英治の『宮本武蔵』も、直木三十五もケチョンケチョン。あまり重箱の隅突き過ぎても話の作りようがなくなっちゃうけど、吉川英治に関しては宮本武蔵のイメージをあまりにも固定させ過ぎた罪はあると思う。2018/07/19
司
1
江戸文庫シリーズ読破! 鳶魚先生は今回もお怒りでした。2011/07/29
Panja Morimoto
0
名作もばっさり。島崎「夜明け前」に文句を付けて最後には「もう読むに堪えぬ」と投げ出すところが痛快(w2017/10/05
アブストラ
0
時代小説って読んだこともないが、こんなに出鱈目なんだな。直木三十五も島崎藤村も吉川英治もひどいもんだ。2014/07/26