内容説明
詩人、平和活動家としても名高い、ヴェトナム出身の禅僧、ティク・ナット・ハンが、わかりやすく易しい言葉で仏の教えを語る。個人が独立して生きるのではなく、周囲、世界、地球環境との深い関わりにおいてこそ、真実に生きることができる―一瞬一瞬を全きまでに生きるための、冒険と発見の書。
目次
第1章 苦しむだけでは充分でない
第2章 三つの宝石
第3章 感情と認識
第4章 実践の真髄
第5章 平和のために働く
第6章 相互生存
第7章 日常生活においての瞑想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
40
欧米各国の「マインドフルネス」流行りのきっかけを作ったハン師。その訃報に接し――。畏友推奨本でもある。詩人、平和活動家としても名高い、ヴェトナム出身の禅僧が、わかりやすく易しい言葉で仏の教えを語る。解説の上田紀行先生は記す。<ティク・ナット・ハンの説く仏教は、「行動する仏教」と呼ばれる。しかし、それは単に社会的活動に携わる仏教のあり方を指すのではない。自らの中に静謐な空間を保ちながら、行動すること。平和を目指す運動自体が平和であること。「動き」と「仏教」の間の分かちがたい関係にこそ、その本質はある>と。⇒2022/01/27
takeapple
16
ベトナムの行動するブッディスト、ティク・ナット・ハン師がアメリカで西欧人に向けて仏教を説いた講演を起こしたもので、所謂仏教用語も漢訳を使わず、英語から現代日本語に訳した言葉を使っている。接心が引きこもりというのは違和感があるけれど、それ以外は縁起というより、相互依存的同時生起と言う方が、般若というより理解と言う方がわかりやすいという面もある。また著者が新たに考えた十四戒は、戒律というより行動指針と言うことでとても素晴らしいと思う。ベトナム仏教は東南アジア系の上座部仏教と、中国系の大乗仏教両方の影響がある。2017/11/03
ゆうきなかもと
9
友人からもらった本です。 すぐに読むべきなのに読めていなかった。 申し訳なく思い、ここ数日間集中して読んだ。 最近、流行りのマインドフルネスはこの著者であるティクナットハンから始まるらしい。 読んで驚いたのは、マインドフルネスが、華厳思想の実践でもあるということだ。 中国仏教において華厳思想は、禅宗における理論という側面がある。かなりごちゃごちゃとした難しい思想なのだが、その本質がティクナットハンの説明だと実に分かりやすく、社会性のあるものになっている。 また読み直したい。2017/11/26
kanaoka 57
8
呼吸と微笑を心がけ、スピードを緩める、そして、この瞬間を生きること。そうでなければ生のすべてを無駄にしてしまう。 今起こっていることを深く知り、徹すること、目覚めること。苦の存在をはっきりと知り、すべての関係性、対話による理解は、慈愛につながっていく。2017/08/14
Koji Takahashi
6
呼吸を整えること 微笑むこと その2つで心を穏やかにして 人を理解し 愛していくことができれば 平和に、心豊かに過ごすことができるのだろう。 今の自分が穏やかでないことは、 呼吸が乱れ、制御できていないことで分かる。 呼吸と微笑みを大切にして生きたい。2017/11/12