内容説明
狡猾にして純真、繊細にして残忍、敬虔にして好色…。老いた処女王エリザベスの、国王として、女としての相剋、若き寵臣エセックス伯との愛と苦悩を、エリザベス朝後期の激動の時代を背景に描く、伝記文学の白眉。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リョウ
4
エリザベス1世の、まさに絶対王政の時期。権力を握った女王とその周りを取り巻く男たちの物語。どこまでが史実でどこまでがフィクションか、文体のせいでよく分からず。2023/09/30
鐵太郎
3
イギリス国王エリザベス(1世 1533-1603/在位1558-1603)と、その寵臣として権勢をふるったエセックス伯(第2代エセックス伯爵 ロバート・デヴルー(Robert Devereux 1561-1601)の物語。面白い。英国国王たるエリザベスの、無定見、無神経、無自覚。それを取り巻く宮廷の紳士淑女の、それに輪をかけた愚行。国家の経営をしているはずが、実は自分の権勢の維持と伸長のためだけ、、、 なんだ、いつの時代でも変わらないではないか。(笑)2005/07/01
恭助
2
エリザベスとエセックスの関係を軸に、エリザベス1世の頃のイギリスについて深く知れる良書でした。やはり歴史は人を知らなければ見えてこない部分がたくさんありますね。
もりおか
2
世界史の授業では出てこない、1人の人間としてのエリザベス女王の心理(生涯を通じて流れる不安感と猜疑心など)や、廷臣との歪んだ関係性と末路にスポットを当てた本。王朝の歴史はいつの時代も奥深い。2017/08/29
timeturner
1
文章はかなり仰々しく、最初のうちは馴染めないが、最後まで読んでみるとこれしかなかったという感じ。時代の雰囲気と描かれているさまざまな事件と文章とがぴったり一致していて、まるで自分もその場にいて起こったことを見聞きしていたかのような気持ちになってしまう。2008/03/23