内容説明
盗賊らは平蔵を捕り物の神様のように思い恐れた反面、裁きは公平で温情のあついお方だ、と信頼を寄せていた…。小説やテレビでお馴染の鬼平こと、火盗改め長谷川平蔵に関する唯一の記録、松平定信のブレーン水野為長の遺した日誌「よしの冊子」をもとに、平蔵の実像と江戸の町を活写する。
目次
羽振りが利いた改め役方与力同心
平蔵の父長谷川宣雄
捕まるのはコソ泥と巾着切り
隠密の黒幕は水野為長
売り込み上手の田沼意次
天明飢饉と世直し大明神
毒殺といわれた将軍家治の死
平蔵打ち壊しの鎮圧に乗り出す
素人でも勤まる町奉行
田沼にとり入った平蔵〔ほか〕
感想・レビュー
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ぶんぶん
22
【図書館】鬼平時代の江戸のあり方が判る本。 松平定信のブレーンである水野為長の遺した日記「よしの冊子」をもとに書き上げたものと言うが、良くその時代を調べてある。 労作です、今川徳三氏は編集者・新聞記者等を経て作家になった様だが、流石に調べに抜かりはない。 鬼平のよいしょばかりで無く辛辣な事も纏めている。 実像の鬼平と言った感じ、人足寄場の苦労も現れている、ライバルの松平左金吾がなかなか良い味を出している。 今まで読メ「登録」が無かった事にもビックリ! 鬼平ファンは読んで損は無い!2025/01/09