内容説明
昭和四年以来、本格バー一筋に生きてきた古川緑郎氏。交詢社内「サン・スーシー」のボーイから出発し、戦後、銀座で最初のオーナー・バーテンダーとして「クール」を開業、今日に至る。その歩みは酒場の昭和史そのものである。名バーマンの語りを軸に、日本の洋酒文化を築いた人と酒と時代を、生き生きと描く。
目次
プロローグ 「いらっしゃいまし」
第1章 昭和四年の“少年ボーイ”
第2章 親方は“シェイクの音”
第3章 フェリス女学院と西川ピアノ
第4章 伝説の本格バー「カフェ・ド・パリ」
第5章 ウイスキー疎開
第6章 スピーク・イージー
第7章 クール開店
第8章 脚線美コンテストと白浪五人男
第9章 お嬢さま、お手をどうぞ
第10章 (6)枠は緑色
第11章 カクテルは空想とエピソードに包まれて
エピローグ 「いってらっしゃいまし」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あいちょ。
7
スタンダードな処方はカクテルの基本という意味で重視しなければならないが、あまり堅苦しくとる必要はないと思っている。それよりも、自分の個性をどう盛り込んでいくかのほうが大事だろう。枠にはめるよりも、自分の夢とロマンを自由に羽ばたかせる事を考えたほうがいい。 身に沁みたね。2014/04/01
あいちょ。
3
『人生で影響を受けた本100冊』登録。2020/03/19
三島ゆかり
3
銀座七丁目“クール”のオーナーバーテンダー古川緑郎さんが語る昭和史。夜の蝶の語源を説明する記事が興味深かった。【カフェーの女給が全部、真っ白いエプロンを胸高にまとい。その紐を蝶々かのように大きく結んだ。そうした女給たちが客席を縫って歩く有様は、宛然、白い蝶が飛び交う景色を彷彿とし、電灯に映えてそれは一段と新鮮な美しさを呈したのであった。夜の蝶の由来はカフェーの女給の背中で揺れていた蝶々結びのことであった】魅力的な姿で惑わせながら花(男)から花へ(男)へ飛び交う様子を比喩して作られた言葉だと思ってた。2012/03/14
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- 和書
- 貝に卵を産む魚