中公文庫<br> 回想十年〈1〉

中公文庫
回想十年〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 340p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122032446
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C1121

内容説明

占領から講和独立を経た激動の時代に多くの難題を引き受け、格闘し続けた首相吉田の本回顧録は、「ただ回想だけでなく、視野を遠く将来に置いて日本の進路を示唆」する。また「その軽妙な洒落は定評があり、ずばり相手の肺腑をえぐる場合もあり」(岸信介)、吉田の魅力を伝えた痛快な証言記録といえよう。

目次

第1章 日本外交の歩んできた道(ハウス大佐の忠言;開国以来の外交の大道;日本外交の転落とその復元 ほか)
第2章 戦前戦中の和平工作(日独防共協定に反対;開戦回避の努力も空し―米英両国大使との交渉;実を結ばなかった早期和平 ほか)
第3章 占領政治というもの(対日管理機構の大要;対日管理政策の転換(一)―進駐の前と進駐の後
対日管理政策の転換(二)―峻厳から寛大への推移 ほか)
第4章 総司令部の人々(マッカーサーという人;総司令部の幹部―附・対日理事会のこと;占領下の日本人)
第5章 私の政治生活(政界への第一歩―宮さま内閣に外務大臣となる;思いもかけず政党総裁に;第一次内閣の一年 ほか)
第6章 私の外遊日記(まずカナダへ飛ぶ;フランスの九日間;西独の指導者と語る ほか)
第7章 私の政治経験から(私の見た政党と政治家;中ソを疎隔に導く方途;対共産圏外交の在り方 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

日の光と暁の藍

4
日本も戦後処理のされ方如何によっては、東西ドイツ分断の様に、東日本西日本として国家が分断されていた可能性があった、という指摘は非常に恐ろしかった。GHQの占領政策により日本国民としての気概を骨抜きにされた後、仮に東西分断されたとして、日本が統一を果たせたのか。考えると非常に恐ろしくなる。また、中共に対する考えや英米との関係の考え方などは、今の外交政策の指針ともなりうるほど普遍的で本質的だと感じた。米は中国を真に理解していないから英という仲介者を交えて中国政策に臨めとは、非常に率直で全う至極だと感じた。2024/06/29

ZEPPELIN

4
さすが偉大なる宰相、時おり笑い話も交えつつ面白い文章を書かれた。ハル・ノートを最後通牒とは思っていなかったこと、マッカーサーに対してかなり好意的に書いてあることなど、占領の終了後の文章ということを考えれば、これが吉田さんの本音か。加えて戦中の軍部への敵対心など、この人が当時もっと中枢にいてくれれば……と思ってしまう。金がない、パージのおかげで人もいないという時代に、こういう胆力のある政治家がいてくれたことは日本にとって幸福であっただろうし、この人ならバカヤロー解散も納得である2015/03/11

うた

1
回想録や評伝を選ぶとき、目安にしていることが一つある。題材になった人の顔つき、表情が気に入るかどうか。内容が面白そうでも、人物像が合わないとどうも読んでいて頭に入ってこないからだ。この点、吉田茂は十分に興味深い。明らかに一筋縄ではいかないような骨のある顔つきをしていながら、なんとも愛嬌のある表情。簡潔明瞭に見解を述べながら、洒脱で飄々としている。内容は戦前戦中にすこし触れ、戦後交渉に多くを割かれている。まだ一巻目、先は長い。2012/04/13

yasu7777

0
これは面白い。吉田茂のような名宰相をこの時期に持つことができた日本は幸運でした。2014/05/24

linbose

0
☆☆☆☆☆2009/04/09

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