内容説明
世界の登山史に輝く名クライマーが、学校嫌い勉強嫌いだった自らの少年時代を語り、小中学生のためのアルピニスト・スクールを開いた経緯を記す本書は、山の本であると共に、すぐれた教育書でもある。「基本的には子どもが嫌い」という著者と、危険や厳しさの中で、喜びを得、行動力を獲得していく子どもたちとのやりとりは感動的だ。
目次
第1章 ヒマラヤへの道
第2章 勉強も先生も、学校も嫌いだ
第3章 一五歳の社会人
第4章 ロッククライミング
第5章 ジュニア・アルピニスト・スクール
第6章 ウータンと子どもたち
第7章 山で働く喜び
第8章 おとなと子ども
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
renren
2
「子どもはずるい」。一見「大人げない」見方のように見えるが、実は偽善や「オトナの寛容さ」で真実を覆わない、等身大で素直な、それだけにかえって「子供の人格」を最大限に尊重した見方なのかもしれない。山岳書とは言い切れないかもしれないが、およそ教育に当たる前には一読して損はない本と思う。2010/01/21
Shoichi Kambe
1
*私の単独登攀は、冬の谷川岳一ノ倉沢滝沢第二スラブ…自分の中に単独でも登れる能力があることを知った。…、自分の中で育とうとしている何かがようやく形をあらわし始めていた。 *ジュニア•アルピニスト•スクール…一つの目的に向かって真剣に努力する。あるいは人を思いやることの大切さを考える登山を、子どもたちに知ってほしいと願った。 *私自身が登山という行為の中に、喜びや生きがいを見いだせるようになってきたことによるものだと思う。 *人を思いやる心、それは、草や花や木や石や、自然を愛おしく思う心につながるものだ。2021/11/27
ヤマセミ
1
期待して手に取った山岳本ではなくて、学校での講演会の惨憺たる描写の部分を読むのは苦しかったが、後半を読んで、すぐれた教育書でもあるという意味がよくわかった。「基本的には子どもが嫌い」というのに、子どもをよく見て、信頼して、生きる力を伸ばしているのがすごい。山にどっしりと足を置いて、自然とも人間とも正面から向き合った生き様だったのだなあとしみじみ思う。2016/01/25
つちのこ
0
1982年頃購入読了。山のシリーズの一冊。
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