中公文庫<br> 良寛 (改版)

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中公文庫
良寛 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 439p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122028906
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

寺僧の堕落を痛罵し、妻や弟子ももたず、法も説かず、破庵に独り乞食の生涯を果てた大愚良寛。その人間味豊かな真の宗教家の実像を凄まじい気魄で描き尽くした水上文学のエッセンス。毎日芸術賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

25
良寛さんとして知られる江戸中期の禅僧、大愚良寛を史実に基づき描いている(僕自身は専門家ではないのでどの程度まで忠実なのかは知らないが) 寺院に所属せず巷を流離い乞食のような放浪生活を和歌と漢詩と共に生きたという世俗から抜け出した生き方には憧れる。悟りや救いという物は一体何処にあるのか。彼の信仰の形は何処に向いていたのか等と考えながら読了。依頼された書は断ってもこども達から凧に文字を書いてくれと頼まれたら快く応じる姿。民衆に溶け込みつつ解りやすく仏教を説く姿。布教や救済の仕方にもきっと人柄が出る。2017/02/03

カブトムシ

19
前に三島由紀夫の投稿をしたときに、「金閣寺」の映画化の題名を「金閣炎上」として、「炎上」というタイトルだけだったかも知れないとしておいた。すると若い人から、「金閣炎上」は、水上勉の作品の映画化名とコメントしてもらった。なんとなくそんな気がしてました。反応があってうれしく思っています。さて、水上さんもテレビによく出ておられ、なじみのある作家でした。私が読んだのは、「雁の寺」「良寛」などです。代表作の「飢餓海峡」は、映画にもなっているようですが、原作も読んでいません。「越前竹人形」は、読んだかもう忘れました。

vip2000

7
モノに溢れた生活の現代、清貧を宗とした風流ある生涯を送った江戸期の良寛さまに興味を持ち読み始めました。この本は目次が無く、古文や仏教の引用が多いので、短歌や漢文に接して無い人には読みづらい箇所が多いです。江戸期、お寺の機能は市役所・託児所・学校・葬儀屋として幕府の統治政策の役割を担っていて、本来の仏教に精神世界から乖離していた様子が良くわかりました。良寛さまはそんな時世に嫌気がして、荘子の思想や詩歌に傾倒しました。残念ながら、今も寺は単なる葬儀や墓守に終始して、人を導く本来の行業をしてないと想います。2017/04/28

田中峰和

5
良寛には3度の大きな転機があった。最初は家督相続で、大地主の長男だが社交性に欠けるので、弟に家督を譲り出家。2回目は曹洞宗の禅寺に修行僧として入門するも厳しい修行に耐えられず脱走。3回目は乞食僧として行脚するが、経済的にも体力的にも耐えられず廃業し故郷に戻った。失敗を繰り返す良寛だが、自宅近くに庵を建て静かな余生を送った。近在の子供たちの憧れとして生きる欲のない暮らしが、彼のイメージを後世に伝わる。寺を逃げ出すという共通点から水上は良寛に己を見るのかもしれない。伝記というより内面的な話が多く読み辛い。2021/10/20

Splash

5
良寛についての基礎知識がないのに読んだので、なるほど感は得られなかったが、宗教を生計の手段とすることを潔しとせず、乞食をしながら純な気持ちで生き抜く良寛の意志の強さは伝わってきた。孤独、越後の厳しい気候、よくくじけなかったものと思う。今度は良寛の伝記を読んでみたい。2016/06/16

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