内容説明
天下人となり、栄耀栄華をきわめた秀吉をまっていた死後の世界…。江戸時代には、庶民の英雄として生き、明治に入ると、国家の英雄と神格化され、太平洋戦争後は、今度は一転して侵略者のレッテルをはられる。時流に翻弄され、死後も安眠できない、秀吉の数奇な運命に初めて光をあてた歴史ドキュメント。
目次
豊国社栄光の日々
大坂城落城・豊臣家滅亡
家康による第一次破却
妙法院による第二次破却
秀吉に殉じた別当・神龍院梵舜
宮司・萩原兼従のその後の足跡
白紙にされた豊国社再興の沙汰
盗掘されていた秀吉の廟墓
庶民に愛された『太閤記』の秀吉
難航を重ねた明治の再興
豊国会による廟墓の発掘と修築
空前の賑わいをみせた豊太閤三百年祭
大阪城天守閣の再建
二度あった豊太閤三百五十年祭
結び―数奇な運命を辿る秀吉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chang_ume
10
豊国社(豊臣秀吉霊廟)はいつ、どのように破却されたのか。一般的には徳川家康が北政所の嘆願をいれて社殿を放置としたことが、そのまま破却を意味するが実態はよくわからない。放置すなわち破却でいいのか。本書は『梵舜記』を中心に、大坂の陣直後の徳川家康の第一次破却と、家康死後の妙法院による第二次破却の段階的過程を明らかにする。家康による放置の後、妙法院の破壊があったという(本殿拝殿の破却実態はよくわからず)。ただし『梵舜記』に依拠するあまり、妙法院を単純な悪玉とする点は大いに疑問。史料リテラシーに注意が必要です。2022/01/23
讃壽鐵朗
0
豊臣家抹殺の話は悲しい