出版社内容情報
ドコモ、au、ソフトバンク……「4割値下げ」を阻む不都合な真実を、業界のエキスパートが徹底解説!
内容説明
菅官房長官が「スマホ料金4割値下げ」をぶちあげてから早や2年。5G対応や急増するテレワークなど通信インフラ大変革の時にあって、日本の通信料金は高止まりしたままだ。背景には、NTTドコモをはじめ大手3社による寡占市場、歪んだ料金体系と収益構造、官民の馴れ合い体質がある。誰が悪いのか。何が改革を邪魔しているのか。通信業界に長年身を置いた著者が全てを明かす。
目次
第1章 日本の携帯料金はこれだけ高い
第2章 携帯料金を下げる二つの方法
第3章 ソフトバンクが打破した官製業界
第4章 組織理念なきNTT分割・再編成
第5章 経営分析から見えるNTTのドコモ依存
第6章 天下りとグループ第一主義
第7章 戦略不在で5G時代に乗り遅れ
第8章 旧態依然の電波行政
第9章 通信業界躍進へのラストチャンス
著者等紹介
山田明[ヤマダアキラ]
1950(昭和25)年愛知県生まれ。経営評論家。東京大学法学部卒、米コーネル大学経営大学院MBA取得。NTT(当時は日本電信電話公社)を経て、複数のグループ会社役員の他、国際通信経済研究所常務理事を務めた。2016年に退任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
38
題名だけ見て買うと、必ず失敗する。粗製乱造の新書を買うときの鉄則だったのに‥‥。元NTT幹部の著とあるので、どんなにディープで含蓄のある論が展開されるのかと思いきや、これまでの通信行政の歴史のなぞりとNTTの経営批判、総務省の天下り批判と、どこかで読んだ話の寄せ集め。かつ文章が散漫で読みづらい。本人の経験から書かれてあるのは、社外取締役の機能不全くらい。初耳だったのはコムシス、協和エクシオ、ミライトの通信設備建設3社が隠れNTTグループ企業ということですが、これも業界紙等には書いてあるんだろうなあ‥‥。2020/08/02
よっち
36
5G対応や急増するテレワークなど通信インフラ大変革の時にあって、高止まりしたままの日本の通信料金。大手3社による寡占市場、歪んだ料金体系と収益構造、官民の馴れ合い体質を明かす一冊。日本の端末が海外に比べて安いのは高額な端末価格を通信価格に転嫁しているということなんですが、見方を変えれば高騰し続ける端末代というハードルの高さをどうするかって話でもあるんでしょうね…これ。ドコモやソフトバンクの話は興味深かったですが、三大キャリアが複雑怪奇に保守化して、楽天も軌道に乗せるのは大変そうで、改善は難しそうですね。 2020/08/12
紫の煙
11
本書の発売後、NTTがドコモに対しTOBを行い、ドコモは上場廃止。そして、低料金プランの発表と事態は大きく動いた。著者が元NTTなので、NTTの話に終始しているが、料金が下がらないのは、KDDIとソフトバンクの責任が大きいと思う。2020/12/11
RmB
9
スマホ料金を下げる方法。アンテナを増やさない。つまり、私たちが「圏外」という言葉を許容すればいいんじゃないでしょうか・2021/02/02
チャー
8
世間で高額と言われるスマホの料金がなぜ高いのかを検証した本。企業、組織、行政など、通信事業を取り巻く環境を紐解きならが、中々下がらない料金システムの成り立ちや仕組みを詳しく紹介している。日本が諸外国と比べ相対的に利用料金が高いことを伝え、大手の寡占状態に起因して競争原理が働き難い構造であることを指摘している。企業と政府のやり取りは携帯電話のシステムが確立する前の固定電話時代から続いたものであり、組織の体質も少なからず影響を与えているようだ。5Gも含めたサービス業態の変化等新たなシステムが期待される。2020/09/13