内容説明
1840年、欽差大臣林則徐はアヘンを没収焼棄し、これに端を発しアヘン戦争が勃発、2年後の南京条約をもって終結した。以来イギリスの植民地となっていた香港の返還を間近にひかえ、その原点であるアヘン戦争の意味を、近代の黎明期に列強の圧力に抗し戦った清末の官僚、林則徐の生涯を通して探る。
目次
1 大清国にさす翳
2 若き日の林則徐
3 官僚の階段
4 地方の最高責任者―巡撫から総督へ
5 アヘン問題
6 アヘン対策を迫られる清朝政府
7 アヘンの絶滅を期して
8 巻返しを狙うエリオット
9 険悪化する中英関係
10 アヘン戦争
11 挫折
12 落日
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マサキ@灯れ松明の火
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アヘン戦争…「茶」の為なら…悪逆非道になりますな「大英帝国」…「清」世間知らず過ぎです(汗)2015/09/26
錢知溫 qiánzhīwēn
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堀川哲男先生(一九三六-一九九〇)が、一九六六年、三十歲のときに宮崎市定選定《中國人物叢書》のひとつとして執筆したものの文庫版。 林少穆への人間的共感にあふれる筆致と歷史家一流の社會背景の洞察のあわさった良書。 十一章二三七頁の關仲因(諱天培)の戰死と、十二章二四二-八頁の王定九(諱鼎)が林氏の流罪に反對して諫死は涙無しでは讀めなかった。 2022/11/15