中公文庫<br> 源氏供養〈下〉

  • ポイントキャンペーン

中公文庫
源氏供養〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 419p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122027596
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C1195

内容説明

「源氏物語」と紫式部の謎をゆるやかに説き明かしたエッセイ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

15
橋本治は『源氏物語』を紫式部の視点から描く。そして紫式部の変化も描いている。それは読書好きな物語が好きだった女性の理想像としての光源氏と現実に母親として家父長制で辛酸を味わなければならなかった紫式部で物語が変わってくる。長編小説の醍醐味はその変化の過程だろう。だから読者はその物語を生きていると感じるのだ。橋本治の光源氏像はなかなか受け入れがたいが、いままでの光源氏を変えてしまう「源氏供養」なのだ。刺激的な本である。https://note.com/aoyadokari/n/n482eb674b5552023/03/15

小鈴

7
内田対談本を読んで橋本熱が再熱。手をつけずにいた源氏物語を読む前に、供養から読む私。。。だって物語は長いんだもん!上下巻通して読んだがさすが橋本治としか言うしかない源氏物語評論。近年の三島、小林秀雄の評論なんかオチャノコサイサイだっただろう(笑)。この本はもっと評価されてもよいのでは!?供養されたもの、それは千年前の自由に走り回ることなんて人前ではできなかった女性たちの自由を求める思いであった。紫式部さん、現世で会って飲みに行きましょう!2011/12/13

:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)

4
窯変源氏物語は4年、丸3年は軽井沢の中央公論社山荘に籠って執筆した力作。平安時代の特殊性、こう考えてここをこう創作した等制作過程裏話が山盛り。何もすることなくじっとしている生きた財産・姫を媒介とした男達の人間関係が窯変の視点。父も兄も「男はみんな女の前では『男』となる時代」にあって、気の休まらない姫が「お願いだから、少し静かにしてほしい」と思う時代で「拒む女」の小説が生まれた。見ず知らずの男が突然来て答えを求めてきても答えようもない。千年後、女も自由に出歩ける時代になったことは進歩、姫にとっては夢の世界2021/12/26

あいくん

4
☆☆☆「源氏物語」のなかで漢籍の教養を発揮する女性は弘徽殿の女御です。須磨の地に追いやられた源氏を許すかどうかというときに、弘徽殿の女御は反対します。そのときに「史記」を引用します。弘徽殿の女御は権力者の娘ですが、正直な人、高い教養と明晰な頭脳を持った人でもあります。筑紫での玉鬘の物語が「竹取物語」に似ているというのはおもしろいです。玉鬘は、現実にはあり得ないヒロインでした。筑紫の田舎から出てきた女が二年で信じられない地位についてしまいます。2013/08/28

Noelle

2
栄華に達した光源氏が実は男社会の中では孤独だった、故に男たちと関わるために持ち駒として玉鬘が必要だった。あるいは 紫の上の不幸は 三ノ宮の降嫁ではなく、走り出す自由がなかったことなど 橋本解釈の源氏は本当に目からうろこ です。若紫の物語から 玉鬘へ、さらには浮舟へと続く女たちのありよう。まさに「紫式部さん ご苦労さま」と思いつつ、再読せねば。2014/02/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/484705
  • ご注意事項

最近チェックした商品