目次
寄生
東屋
浮舟1
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
19
受領の娘である浮舟は中君によって人形として薫に差し出されるのあるが。中君を大君の人形にしたい薫と中君のこのしつこい男ったらという会話は喜劇的で面白い。東屋は東北の受領の妻になった北の方の愚痴話なのだが、受領と殿上人の身分の違いをまざまざと見せつけられる。薫の前に匂宮が嗅ぎつけるとは展開が面白くなってきてはいるのだが、薫のメンタル部分のダメさをまざまざと知る。東屋は離れなのだが、その建物が東北の田舎風だと薫が感想を漏らし、貢物としての館なのだと知る。受領制が天皇制の基礎にあることを知るポストコロニアル文学。2024/08/08
LUNE MER
16
浮舟、彼女が登場すると長かったこの物語もラストスパートに突入し、展開に弾みがつき始めるのを感じる。自分が窯変に惹かれる要素のひとつは「女性キャラに関する新発見、再発見」なのだが、宇治十帖に登場する三人の姫君については今のところイメージを一新するような描写がない。源氏存命のパートに比べて読むスピードが停滞している理由がそれなのだが、浮舟の見せ場であるラスト一巻でどう描かれるか?2022/03/25
Jack Amano
4
物語もいよいよ最終版にかかりつつある。いまひとつ気分が乗ってこないが、ここまで来たからには最後まで読もう、という感じで読み続けている。主人公や登場人物は変わっても、内容的には、光源氏がしてきたこととあまり変わらないなとも感じられる。何とか読了したい。2025/03/08
蛸墨雄
3
さて、すごく面白くなってきた。身分とか本当にこの時代の人々は今とぜんぜん違うことにがんじがらめにされていてちょっぴり可愛そうにすら感じる。現代人であるのなら恋愛の自由を謳歌したいと思った(不倫とかはだめだけどね)。残り一巻、じっくり味わいたく思います。2019/01/07
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
2
若菜と浮舟は読め@「光る源氏の物語」→気を取り直して再開。東屋から、ギャグのような心の声が面白くなってきた。女房の聞こえよがしの文句や心の声は、当時の風俗を反映しているし、本音が面白い。受領は軽んじられるというのは、紫式部の僻みもあるのかな…書かれ方がひどい。訛りに、銭ゲバ、ダミ声、そして肥満。これまでは「お陰、光、恵み」という意味で使われてきた「徳」も、東屋では「財産」として三回も登場。銭をかけてるのにダサイという。日本人昔から意地悪笑。世間体を気にしないネット社会になってまた平安時代の意地悪に逆戻りか2021/12/30