内容説明
自然を敬い、虔れながらも山人として失ってはならない勇気。それがマタギの根性―。時代の波が山村の姿を大きく変えた現在も、秋田・比立内でマタギとして生き続ける男がいる。伝統を受け継ぎつつ、山を暮らしの場として今の時代を生きる男の凄絶な半生記。
目次
初マタギ
比立内
アメ流し
水垢離
掟
初猟
寒マタギ
バンドリ
二人三脚
雪片飄々
日々…
萱草の熊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aki
2
阿仁、比立内のマタギの家に生まれた松橋時幸の、主に少年の頃、若い頃の山の暮らしをまとめた本。 熊、うさぎ、バンドり、イワナなどの日常の猟の話がふんだん。狩の内容は特別なものはないが仲間との会話がすべて「東北弁」でうれしい。狩猟の臨場感を味わえる。 2020/01/17
みのにゃー
2
前の猟期中、先輩とキジ撃ちに行った相棒。先輩がキツネを見つけて散弾で撃つ。キツネは「アチッアチッ」って感じで河原を転げまわって逃げて行った。その後、鉛の毒がまわって死んでしまうらしい。それを聞いたときはショックだった。 この本の中「テンでもウサギでも熊でもハ、ちゃんと引導渡してやらねばいたましぐてハ」とあって、私の感覚は間違ってないと思いました。 マタギとハンターは違う。相棒には自然と共生できる猟師になってほしい。2014/04/22
Daihi Ono
1
以前に渓流釣りの特番で、黒部や北海道の源流に行っておられたのを拝見して、甲斐崎氏のファンになりました。人懐こく、好奇心が旺盛で、自分の好きなことに対してがむしゃらな氏であるからこそ、話を伺う人の心の奥底にある言葉を引き出せるのではないかと思います。
yamakujira
1
自然とともに生きる阿仁マタギ。厳しい自然に対峙する厳しさの中に、自然の包容力にはぐくまれた優しさがにじみでる。自己修養に長けた人生に敬服する。 (★★★★★)
たか。
0
熊谷達也さんの『邂逅の森』を思い出したのは自分だけじゃないはず。2013/04/19