内容説明
「ますらおぶり」と「たおやめぶり」、忠義と裏切り、上方と江戸の違い、日本にきた西洋人―雄大な構想で歴史と人物を描き続ける司馬氏と、日本文学のすぐれた研究者であるキーン氏がともに歴史の香りを味わいながら「双方の体温で感じとった日本文化」を語る、興趣つきない対談。
目次
第1章 日本文化の誕生
第2章 空海と一休―宗教の普遍性について
第3章 金の世界・銀の世界―乱世の美学
第4章 日本人の戦争観
第5章 日本人のモラル―儒教をめぐって
第6章 日本にきた外国人
第7章 続・日本人のモラル
第8章 江戸の文化
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カザリ
70
アーネスト・サトーってずっと日本人ハーフだと思っていた(笑)英国策論、どこかで読んでみたいな。日本が国際社会に出るために、幕藩体制を清算し、中央主権制にすべき、という未来の日本のビジョンを持っていたらしい。。サトー、気になるなあ。西郷に影響を与えたというあたりが、チクと気になるきに~w2014/08/30
レアル
57
キーン氏と司馬氏の対談。浅学の私にとって彼らの対談の表面部分くらいしか理解できていない。しかし奈良時代から始まる日本人文化の対談に興味を持って読んだ。戦争につても話されてはいたが、興味を持ったのは「金の世界・銀の世界」。銀の椀に雪が降り積もっている美しさ!日本人には金より銀の方がよく似合うというキーンさんの言葉。私の心に響くなぁ。。博識ある2人の話が面白くあっという間に読み終えた!というよりもいい勉強になった。私自身の知識をもう少し増やして、もう一度読み返したい。2018/02/28
U
45
日本は金より銀が似合う、というキーン氏のことばには納得でした。「日本的なものとしてがんばりすぎると、いやらしいものになる」。なるほどね。むすびで二人がこきおろした『玉勝間』、逆に味わいたいと思いました。2015/10/12
kawa
44
日本史と日本文化の達人であるお二方の対談集。古典やキーン氏の専門である江戸文学に馴染みがないので、消化しきれない部分もある。そこは勘弁してもらうのだが、例えば中国は「ワシが一番」の中華思想が祟って近代化が遅れた、日本は古代から中国という先進国との交流があったため外来の情報や知識の導入に抵抗感がなく、結果として近代化がスムーズだった等、知的好奇心をくすぐるエキサイティングな内容、サクサク半日で読了。2019/03/11
びわこっこ
36
大学時代、日本文学を韓国人研究者の教授から学んだ。外国の方の方が客観的に日本を分析できるのだろうか?🧐キーン氏のかつての日本人評価は、男性の「ますらおぶり」と女性の「たおやめぶり」。キーン氏が生きておられたら、現代日本人は、どう評価されるのだろう? 雄大な構想で歴史と人物を描く、司馬氏との貴重な対談集。ネット社会にはない、日本の心が残された歴史書だ。🗻2023/01/27