感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
16
父・源氏から美貌は受け継いだものの女性へのアプローチとなると途端にポンコツ気味な夕霧のキャラ特性が最もよく描かれる「夕霧」の帖は面白い。あれだけ難攻不落だった二ノ宮が最後の最後でどう根負けしたのかをもう少し書いて欲しかったところだがその辺の匙加減も源氏物語らしさといえばらしさ。あとは駆け抜けるように源氏と紫の上の終焉。源氏の主観で紫の上をいちばん愛したというのは否定しないが、彼女にとって幸せな生涯だったのかと言われると…。彼岸に逝去したことをやたらと強調しているのも確かに意図的に思えてくる。2022/01/07
みほ
2
誰が書いても幸せじゃない紫。さて、この先楽しみがないんだが最後まで読めるかな。2014/01/25
NORI
1
読みやすい。その帖開始時の年齢付き人物相関図が記載されており、理解の助けになる。
madhatter
0
再読。紫の上亡き後の源氏の情けなさは、原典にも本作品にも共通するものがある。若き日の反政治的存在としての煌めきも、老いてからの支配者としての魅力も失った源氏だけを見ていると本当にうんざりするし、それを源氏を取り巻く人々の動向が救っている観は確かにある。だが、紫の上のための規則に則った喪服の色を、どろどろした嫌らしい悲しみの色に染めてしまいたいという源氏の述懐に、若かりし日の反政治的な光君の片鱗をちらりと見た気もする。とは言え、実行しないあたり、あくまで「片鱗」でしかないのだが。2012/08/09
天茶
0
★★★2015/12/31