感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
16
父・源氏から美貌は受け継いだものの女性へのアプローチとなると途端にポンコツ気味な夕霧のキャラ特性が最もよく描かれる「夕霧」の帖は面白い。あれだけ難攻不落だった二ノ宮が最後の最後でどう根負けしたのかをもう少し書いて欲しかったところだがその辺の匙加減も源氏物語らしさといえばらしさ。あとは駆け抜けるように源氏と紫の上の終焉。源氏の主観で紫の上をいちばん愛したというのは否定しないが、彼女にとって幸せな生涯だったのかと言われると…。彼岸に逝去したことをやたらと強調しているのも確かに意図的に思えてくる。2022/01/07
かふ
15
「横笛・鈴虫・夕霧」は光源氏の息子夕霧の不器用な恋だが、そんなことに関わっているときに「御法・幻」、紫上が亡くなっていく。光源氏は、結局は紫上を幸せに出来なかったのか?最後まで出家させずに置いたのは良かったのか?虚しさだけが残る。それが「幻」という幽玄さの美であるならば現実としての恋の騒動は夕霧のようなものなのか?夕霧が美しい青年であるならば雲居の雁は浮気ぐらいでドタバタしてという花散里の言い分は待つ女の慰めなのか?次世代とのギャップを感じてしまう。結局紫上が幸福だったと思えないのが光源氏の後悔としてある2024/06/25
Jack Amano
2
光源氏晩年友人の死(柏木)、正妻・紫の上の死(御法)、など身近な人の死に遭遇し、年齢的にもかなり成熟してきた晩年の光源氏は、若かりし頃の反省もしつつ、昔のようにはいかない寂しさなども感じつつ、世の無常を受け入れていく。そして、仏門に入る決心もする。見た目も美しく栄華を誇った光源氏も、晩年は必ずしも幸福ではなかった。引き続き自分本位でわがままな奴、という部分が出ては来るが、だいぶ変わったなという感じになってきています。あと4冊まで来ました。2024/11/16
みほ
2
誰が書いても幸せじゃない紫。さて、この先楽しみがないんだが最後まで読めるかな。2014/01/25
NORI
1
読みやすい。その帖開始時の年齢付き人物相関図が記載されており、理解の助けになる。
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- 和書
- 答えは風のなか