内容説明
悲恋に涙する沖田総司、隊士の心を妖しくときめかす前髪の美剣士、薩摩の間者富山弥兵衛、真贋の判じがたい虎徹に執する近藤勇…幕末の大動乱期、剣に生き剣に死んでいった新選組隊士一人一人の哀歓、生死のかたちを冴え冴えと浮彫りにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
78
それぞれの事情で新選組に入った隊士達の悲喜こもごもに、ほろりとさせられたり、冷え冷えとした気持ちを覚えたり…一冊で色んな気分が味わえる作品です。今回は、山崎蒸のひたむきさや斎藤一の飄々とした物腰が特に印象的でした。最初の方の物語では歳三のことを「土方君」と呼んでいた近藤が後半では「歳」と呼び捨てにしているのを読むと、司馬さんだんだん筆が乗ってきたのかしら?などと楽しくなりました。2020/05/20
ポチ
70
15の短編。どの話も趣きがあってのめり込むように読了しました。近藤勇・土方歳三・沖田総司・井上源三郎の4人は、本当の家族以上の繋がりがあったのだなぁとしみじみ思いました。何編かはそんな優しさや、暖かさを感じ、殺伐とした中でもホッとさせてくれました。いい本です(^^)2017/02/16
さつき
60
新選組を題材にした短編集。幹部をメインとしたものばかりでなく平隊士が主役の作品が多く新鮮に感じました。様々な経緯で新選組に入る男たち。その、それぞれ違う立場から見た風景は、生き死にの土壇場を描いているだけに緊迫感があります。このラインナップの中に沖田総司の爽やかエピソードが入ると清涼剤のように感じました。これは美少年剣士扱いになるよね。『燃えよ剣』ではひたすらかっこいい土方歳三も少し印象が違いました。いやー!新選組、面白い!参加してるBCで、たくさんおすすめを教えていただいたので、もっと読みたいです。2017/02/16
り こ む ん
55
新撰組の短編集。タイトルと表紙を見ると、ものすごく殺伐としてる様に感じるけれど、彼らの絆の深さ、ちょっとコミカルな人物像が感じられる作品。あと、もぉ~ちょっとこの話を読みたい!この人物を知りたいと思わせる。中途半端に終わってる訳ではないのだけど、篠原、沖田、近藤、斎藤、山崎…司馬さんでまるまる読んでみたい。やっぱり、司馬さんになると短編は物足りない。もっと!もっと!って思ってしまう。特に山崎は読んでみたかったな2017/02/21
シ也
43
新撰組の色々な人物を主人公にした短編集。どれも面白かったが、特に面白いと感じたのは薩摩の間者が主人公の「弥兵衛奮迅」、斎藤一が谷三十郎と決着をつける「槍は宝蔵院流」の二作品。しかし、脇役としてすべてのエピソードに登場する土方と近藤の二人が実に良いキャラをしている。読みごたえのある短編集だった2016/04/20
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