内容説明
日本人の海外渡航が本格化した1970年前後、在外日本大使館の窓口では、館員と在留邦人、旅行者、現地人とのさまざまな交流がみられた―。元外交官の著者が、白夜の国での勤務体験をもとに、昔日の在外日本人の生態と窓口館員の奮闘を描く。
目次
1部 春(ふたつの心、彼の胸に;先生、お手をどうぞ ほか)
2部 夏(ああ、青春群像;K大学生武道使節団 ほか)
3部 秋(山上の館にて;汚れなき孤絶の魂 ほか)
4部 冬(ブラボー、メイド・イン・ジャパン;大使館、包囲さる ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かずら
1
元外交官の著者が、自分の経験を元に描いたエッセイ風の「小説」。外交官という仕事がどういうものか、知る機会がないだけあって非常に興味深く読みました。今は守秘義務が厳しくなってそう簡単には書けないようので、貴重な本だと思います。北欧の某国(読んでいるうちにモデルはどこかは察することができます)で起こる文化の違いや、はた迷惑な旅行者の起こす騒動は面白かったです。発売されたのが十年ほど前であることもあって、古い偏見が書かれている部分もありました。時代のせいとはいえ、あまり読んでいて楽しいものではなかったです。2015/11/06