内容説明
人間を愛し、その足跡に限りなき愛惜の情を注ぐ作者が、広瀬武夫の文学的資質、長沖一の軍隊小説を歴史の土中から掘り起し、さらに同時代のひとびと、身辺風土を語る。歴史と現代に生きる人物と運命の濃密に洞察する司馬文学の精髄。
目次
遠い世からの手紙
歴史の風景
同時代のひとびと
身辺風土
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
58
2014.02.06(12/18)(つづき)司馬遼太郎著。02/04 アリアズナは、広瀬に強い好意を寄せる。 この話、1924、加藤寛治(ペテルブルグ留学-同時期)が大阪朝日記者に語り、連載5日間、04/30~。 加藤にアリアスナ宛1通の手紙を託す。 この手紙、戦後ペテルブルグに戦後届き、二三の新聞に掲載。 島田教授、広瀬について、第一級史料を渉猟した。 それらを発掘した知的体力と情熱は驚倒する思いだ。 書簡は2000通以上に達すると推測、400を閲覧できた教授。 2014/02/06
i-miya
53
2013.12.27(12/18)(つづき)司馬遼太郎著。12/27 (p020) (広瀬武夫) 独行者、広瀬武夫。 極東総督、アレキセーフ大将に面会したい。 広瀬については島田謹二教授に負う事大。 日本での比較文学と云う学問の分野は、戦後、島田により興こされた。 芳賀徹氏に聞いた。 専門の英文学のほか、仏独露。 単なる鑑賞から、底を突き破るようにして文学比較という人文科学的分野開拓、展開。 2013/12/27
i-miya
50
2013.11.18(2013.11.18)(再読)司馬遼太郎著。 2013.11.18 (あとがき-A氏のことども) 人間は、お互い自他の勝手な印象の中で生きあっている、少なくとも、そういう部分が多い。 A氏、国文学者、家人でもあり、さらに故人。 少年の感受性残し、幼い正義の人。 ところがA氏を野心家であるというB氏。 新聞社を頻繁に訪ね、虚名を得ようとしたという。 『藤原定家研究』 2013/11/18
優希
38
1970年から1980年にかけて書かれたエッセイです。そのせいか、イマイチ自分には響かず残念でした。その時代にあるべき運命を描いていたエッセイということで良いのでしょうか。2022/04/30
金吾
27
司馬さんのおおらかな部分とこだわる部分が感じ取れます。前回面白いと感じた話以外に「ある運命について」「服従について」が良かったです。2023/07/11