中公文庫<br> 中勘助の手紙―一座建立

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中公文庫
中勘助の手紙―一座建立

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  • サイズ 文庫判/ページ数 393p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122022256
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C1195

内容説明

静岡市郊外に住む青年と、終戦前後、東京から疎開していた「銀の匙」の筆者中勘助との温かい交流を、中の書簡を軸に数々のエピソードを交えて綴った記録。瑞々しく、それでいて味わいに富んだ文章は、中勘助の知られざる素顔を浮彫りにしつつ、中夫人を加えた三人がつくりあげた、静かだが濃密で信頼に満ちた世界を伝える。

目次

1 昭和二十年
2 昭和二十一年
3 昭和二十二年
4 昭和二十三年

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

24
昨年から時間をかけて読み進め、平成最後の日に読了。静岡に疎開した中勘助・和子夫婦と、復員してきて実家の味噌製作所で働く稲森青年の濃やかなやり取りを、主に中勘助の手紙と稲森氏の回想で綴った貴重な記録。このような人の縁が生まれたことは本当に素晴らしく、文学・芸術に広く深い教養を持つ3人のやり取りは、読者に「中サン大学」の魅力を生き生きと伝えてきます。口絵の眼光炯炯たる写真は、『銀の匙』でワッピーが勝手に想像した腺病質な印象とは全く違っていて、『提婆達多』『犬』のような作品群を知っていてすら、圧倒されました。2019/04/30

よっし~

6
読書会「K社のとなり」読み友さん推薦、且つ頂戴した一冊(感謝です……)。第二次世界大戦時~戦後直後まで静岡に疎開した中勘助夫妻と、近隣に住む青年との濃密な往来を往復書簡と回想で構成する。人と人が互いに畏敬と感謝の念をもって、かくも信頼感に満ちた関係を築けることについて羨望を覚えた。現在はメールもSNSもありコミュニケーションの利便性は遥かに当時を凌駕しているのに、肝心の関係性についてはどうなのだろう、と考えさせられた一冊。貴重な本を下さった読み友さんに感謝。2019/09/30

無意味への献身

0
療養も兼ねて静岡の服織に疎開した中勘助と知り合ったのが、当時22歳の著者であった。世代も年齢も超えて、勘助の妻和子も交えた三人は、本当に気心の知れた仲として「一座」を形作る。晩婚の中夫妻にとって著者の存在は血の繋がらない身内だったに違いない。文学と実業と、携わる分野は違えども師弟のような親子のような関係性を、あの「銀の匙」の作者と持てた著者が本当に羨ましい。人間関係こそ最大の財産だと教えてくれる美しい一冊だ。2022/03/08

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