出版社内容情報
大陸文明と日本文明の結びつきを達成した空海は、哲学宗教文学教育、医療施薬から土木灌漑建築まで、八面六臂の活躍を続ける。その死の秘密もふくめて描く完結篇。五十年度芸術院恩賜賞受賞。
内容説明
大陸文明と日本文明の結びつきを達成した空海は、哲学宗教文学教育、医療施薬から土木潅漑建築まで、八面六臀の活躍を続ける。その死の秘密をもふくめて描く完結篇。昭和五十年度芸術院恩賜賞受賞。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
修一朗
145
同時期に唐に渡り、通訳付きの公費で天台宗を仕入れた最澄と自力で恵果と対面し密教を譲り受けた空海とは対照的だ。密教の相伝は書物由来でなく面授するものというのが空海の考えだった。空海は真言宗を根付かせるという目的で活動しつつも,嵯峨天皇と友人だったり奈良仏教界から頼りにされたりと世俗とのつながりを重視していた。薬子の変をはじめとして桓武-平城-嵯峨と続いた平安時代初期の政変や,橘逸勢・藤原葛野麻呂・阿刀大足,と空海の近しい人との関わりについても詳しく書かれていて勉強になった。時間かかったけど,面白かった。2024/05/28
kazuさん
104
空海は入唐して、5ヶ月間、梵語を学びつつ、恵果訪問の時期を待った。その後、1000人の弟子を差し置いて、恵果から後継者に抜擢され、密教を直接伝授された。大量の経典や仏具を携え、寧波を立ち帰国の途に着く。那の津に帰着し、太宰府で1年を過ごす。そこで、持ち帰った品々の目録を朝廷に送り、都で評判が上がるのを待った。更に、2年間を近畿の槙尾山で過ごし、入京の機会を窺った。この間、密教の理論構築を行う。漸く上京の官符が下り、京の高雄山寺に入った。この後、最澄と競いつつ、日本の仏教界において重要な地位を築いて行く。2023/12/17
優希
100
正当な密教の正伝者となり、唐より帰国する空海。その後完成させていく密教の軸となるのは即身成仏という考えだということが理解できます。その身辺や思想から哲学宗教教育にかなり力を入れていたのでしょうね。その完璧さから、後の世に教えが広まっていったのだと思います。それは普遍へと導かれるべきものだったのかと。2018/01/24
金吾
99
○空海の一生を読み、才能の豊かさに驚愕しました。特に唐の文明を至短時間で吸収しそれを後世につなげる形っ日本の文化に融合させたことは正に偉人だと思いました。最澄との関係や橘逸勢、古今著聞集のエピソードは面白かったです。2022/09/28
ポチ
72
難しかった!仏教にあまり興味がない為辛かった。空海が歩いた長安への街道を歩いてみたい。2018/02/11
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