内容説明
後漢は衰微し、群雄が覇を競う乱世に、一人の青年が時を待っていた。三顧の礼にこたえ、劉備のもと、「臥竜」孔明は、南下する最強の敵、曹操に立ち向かうべく、赤壁の戦いへと赴く。透徹した史眼、雄渾の筆致がとらえた孔明の新しい魅力と壮大な「三国志」の世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あーさん☆GWは墓参りをハシゴしました。暑くてバテました。
78
『泣き虫弱虫諸葛孔明』の約半分のページ数ではあるが、何分分厚い。硬い文体で、漢字に強い方にはお薦め。もっと、今風?楽しく読みたい方は『泣き虫弱虫諸葛孔明』へ。この本で物足りない方も。自分はこれだけでと言う方は、こちらを存分に読まれよ!( ̄ー ̄ゞ-☆2019/05/13
糜竺(びじく)
44
吉川英治文学賞受賞作品で、三国志の蜀の劉備玄徳の名軍師、諸葛孔明が主人公の歴史小説です。上巻です。この上巻で非常に興味深いのは、劉備に三顧の礼で迎えられる前の、孔明の生い立ちがかなりのページで描かれている所です。劉備に出会う前に、孔明にも色々な事があったんだなと興味深く読めました。特に、孔明が若い頃には徐州にもいて、曹操が徐州刺史の陶謙に報復の為に大虐殺を行ったのですが、それを孔明も目撃していて、その事が曹操に対しては印象が非常に悪く、劉備についたという見方は面白かったです。続きが楽しみです。2016/08/07
AICHAN
42
図書館本。「三国志演義」と違って「史記」や「後漢書」等を頼りにできるだけ史実に近い孔明を描いているようだ。誕生から青年期、そして劉備に三顧の礼をもって迎えられ手腕を振るい始め赤壁の戦いまで。なかなか面白いが、三国志(三国志演義)を知っていればより楽しめるだろうと思った。さあ、下巻。クライマックスの五丈原はどのように描かれるのだろうか。2018/10/24
兵士O
40
劉備と孔明は劉表の扱いで意見の相違が生まれます。孔明は彼を倒して荊州を乗っ取ればいいと提案しますが、劉備は客将として招かれているのだからそれには及ばないと言います。そこには理と情のぶつかりがあります。三顧の礼、長坂の逃亡、赤壁の戦い、二人はお互いを補い合いながら乱世を乗り越えていきます。陳先生の描き方は簡潔ながらも史実(正史)に忠実。でもそれ以上に先生の想像力による孔明の膨らまし方は誠実でクールな彼の人柄を如実に描き出しています。やっぱり孔明は天才でも超人でもない。極めて優秀だけど僕たちと同じ地続きの人!2024/07/17
Y2K☮
38
再読。劉備と出逢う前の孔明が興味深い。十代の頃から家族を養っていた苦労人。でも居住地を統治する劉表にも天下に最も近い曹操にも膝を屈しない。小役人では納得しない自負心と力で全てを正当化する覇者への倫理的反発。彼が望むのはただ万民の幸せ。弱者を守る秩序。四十過ぎても流浪している劉備に仕えたのは、たとえ今は非力でもその理想を共有できるから。恩人の領土は奪えないと乱世らしからぬ人間臭さを見せる劉備に自分にはない大きさを感じたから。青臭くてもいい。酔狂で結構。正しいと思う理想の為に意地を張ってこそ男の人生。下巻へ。2015/06/17
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