内容説明
満州事変の首謀者、世界最終戦争の予言者、東条英機の手厳しい弾劾者。石原莞爾は、反骨精神みちみちた一介の喧嘩師か、それとも、熱烈な法華信仰に生き世界史の行く末を見据えた理想主義者だったのか。ひとりの劇作家が、同じ東北人として無限の共感をいだいて描いた、一軍人の肖像。
目次
第1章 外向島国
第2章 傾斜する祖国
第3章 西欧の没落
第4章 “創造”序曲
第5章 夢幻楽土
第6章 修羅まんだら
第7章 隠れ里
感想・レビュー
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ラム
2
劇作家が同じ東北人、同じく満州に従軍した者として強烈な思い入れを込めて 法華経信仰、日蓮崇拝等随所で仏教思想と関連づける(著者は印度哲学専攻) 東条英機と対立、それが禍となって晩年は不遇をかこつが日本陸軍随一の戦略家として満州事変で評価を得る 世界最終戦争論、満州青年連盟(小沢開作)、五族協和、戦後の東亜連盟の活動等数多の関連人物に取材 日本軍の統制のなさ、派閥争い、無責任な上層部に辟易(反骨の人石原も軍の趨勢には逆らえず)盛り込みすぎて理解が難しい(仏教、思想関係は得手でも近代史は?)村松剛が解説で整理2018/11/11
i-miya
1
書き終えて 香川県庁勤務 S06.夏 出征兵士の歓送と遺骨の奉迎のお仕事 善通寺に第十一師団司令部 国家目標 解説)村松剛 国家目標を失い、虚脱感 精神の支え、田中智学 孫文が満州の支配を山中峯太郎に委ねる、と考えた わずか5ヶ月で1万の兵で30万の張学良の軍を破った壮挙 林銑十郎朝鮮軍司令官 911 徳王(有力者) 強硬な石原の反対 蒙古の満州化 武藤章 島という名で物語りに登場する青江 仏教のこととなると力のこもる青江 しかし、近代史は不得手2009/04/09
zikisuzuki
0
石原莞爾の魅力は人間として優しい事で、その為には常識や慣習など全く気にしない所だ。彼は若い兵隊に死ねと言う事を常に悩んでいたという。私心の全くない人だった。しかし、満州事変での彼の成功は若い将校たちの野心に火を付けただけで、それが是となり戦略も無いままそれぞれの私欲や保身の論理のみで軍も国も滅亡へと突き進んでしまう。石原の予言どおりに。 この本の一番キモの部分は石原の限界について書かれた所だ石原を愛し、他の石原信者とは一線を隔する著者の見識の正しさ、これからこの本を読む人はしっかりここを掴んで欲しい。2017/05/21
MrO
0
正直、かなりくせがあり、読むタイミングが難しい。2015/01/15
夢仙人
0
そこそこ。2021/07/26
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- 和書
- 写真 阿修羅のごとく