内容説明
江戸風俗画の研究と模写に打ち込んできた著者が、肉筆浮世絵、版画、黄表紙や洒落本の挿絵など、全盛時の吉原を描いた二百五十余点の絵画資料を精確に復元し、それぞれに平易な解説を付す。登楼のしくみ、廓内の風景、遊女の生活と風俗、吉原の年中行事など、いまは失われた吉原遊廓の全貌を鮮やかによみがえらせる画期的労作。
目次
登楼
廓内
妓楼
遊女の生活
年中行事
遊女の風俗
吉原風俗
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
25
上級者向けの吉原データ本です。昔家紋や関東の人間が好むデザインについてリサーチしていたころに購入した本ですが、今回久々に再読。先日初心者向けの本を読んでおいたのでいろいろ気づくところあり。2016/05/10
おMP夫人
15
当時の版画などから復元された絵が充実しているのが最大の見所。その内容は多岐に渡り、遊女達がどのような生活を送っていたのかが手に取るようにわかります。安永年間(1772~81)から幕末に絞った内容となってはいますが、充分すぎるボリュームです。TVや映画で時代劇がめっきり減り、そういった映像作品に馴染みのない方が江戸時代を舞台にした小説を読んでみようと思ったなら、事前に目を通しておいて損はない1冊です。難があるとすれば、分厚く重たい文庫本なので、通勤・通学の電車やバスで読むには不向きな所でしょうか。2012/06/07
Wisteria
12
江戸吉原の文化や生活が沢山の絵と共に解説されていて分かりやすかった。今でも吉原を題材にしたエンターテイメントが数多くあるのはそれだけ興味深い時代だからだと思う。2016/11/04
バーベナ
9
現存する浮世絵、版画、挿絵などから吉原へ想いを馳せる。次々と現れる風景でタイムスリップ。元は文庫でなく豪華版だったそうで、どれだけ迫力があったのかしら。文庫(分厚いですよ)で読める幸せをかみしめて。2016/02/18
ちる
5
図が豊富で資料としての申し分ないです。版画などからの復元の際、改変したところも書かれているのでいいですね。吉原について、また、遊女たちやその周囲で関わっていた人たちについて詳しく解説されています。時代によって移り変わっていった吉原と遊女の暮らしや役割など、興味深いものでした。文庫なのでお手軽に読めます。(分厚いですが…)2013/08/27