内容説明
直木賞受賞作『白い罌粟』の発表以前から死に致るまで、文学者としてのみならず、生活者・立原正秋を見つめ続けた記録。あの凛冽華麗な愛と美の世界を極めた文学が、どのような原風景をもっていたか、その秘密を明らかにする。
目次
1 瑞泉寺
2 素直さ
3 洗い磨がれた家庭
4「白い罌粟」の下書き
5 女を眺める
6 「早稲田文学」編集長の波紋
7 立腹正秋
8 味の講釈
9 臍を洗い清め
10 立原さんと母
11 ケンカ模様
12 立原邸設計者と
13 ホステス・Sさん
14 結婚披露宴出席は異例
15 大きなお世話
16 雨漏り
17 老女の美
18 深夜の酒宴に駆けつける
19 秘さざれば花
20 御用達者音楽師
21 中国製落款印のよし悪し
22 俺はガンだ
23 空家のようになった立原邸
24 立原正秋の「妻」
25 回帰の寺・鳳停寺