内容説明
南京条約の成立にもかかわらず、英国と清の外交関係は必ずしも改善されない。相次ぐ紛争に業を煮やした英仏両国は1856年、広東ど起きたアロー号事件を口実に再び戦端を開いた。白河を溯って天津・北京へと進撃した同盟軍はついに円明園を占拠して最宝を掠奪し、ヴェルサイユ宮を摸したその壮麗な建造物を破壊焼却する―。北京条約締結にいたる植民地化への過程を、外交文書や皇帝勅書などの資料を駆使して詳述した、『アヘン戦争と香港』と姉妹篇をなす歴史的名著。
目次
南京条約後、支那諸開港場における紛擾
イギリス・支那両国官憲の面会交渉問題、条約改正問題
アロー号事件とイギリスの広東攻撃
アロー号はイギリス船か、アロー号事件はイギリス国旗の侮辱か
イギリス議会のアロー号事件論争、イギリス・フランス同盟軍の広東占領
イギリス等4国全権の大沽交渉とイギリス・フランス同明軍の大沽砲台砲撃占領
イギリス第4国全権の天津交渉
ロシヤ・アメリカ・イギリス・フランス4国の天津条約締結
支那の天津条約締結の動機、和戦論、上海会議の目的、広東団防局始末
天津条約後の上海税率会議とアヘン問題及び使臣駐京問題〔ほか〕