内容説明
ブダペシュトをドナウ川の一都市として把えなおし、地方および下層の視点を据え、そこに住んだ人々の「夢」をさぐる―壮大な歴史が新しく展開する。
目次
アクインクムとペシュト
新しいブダの登場
黄金時代
オスマン都市
ハプスブルク帝国の都市
改革期の都市
一八四八年革命
「アウスグライヒ」へ
ブダペシュトの形成
世紀末のブダペシュト
戦争と革命のなかの都市
著者等紹介
南塚信吾[ミナミズカシンゴ]
1942年生まれ。専門はハンガリー史、国際関係史、世界史、現在、法政大学国際文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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にかの
2
ブダペストというひとつの都市(正確には3つ)について古代から近世までを俯瞰することのできるとてもおもしろい本です。東欧好きにはたまらない題材であり、本格的な学術書ほど重くなく程よい軽さでまとめられています。ハンガリーは四季があり、温泉があり、姓名の順番が日本と一緒であったりと、ある意味近くて遠い国です。ブダペストなどは日本人宿も充実しており、歴史ある建築物も数多い、非常にたまらない国です。機会があれば、本格的に調査してみたい国ではあるのですが、未だ好機に恵まれておりません。残念。2013/03/15
俊太郎
0
図が豊富でどれも見やすい。語り口も平易でわかりやすく、ハンガリー史のとっかかりに出来そうな本。2017/08/24
rbyawa
0
もともとハンガリーの地方史を専門にしている方のハンガリーの首都の本で、なんつーか、面白いのがあれだよね。ブダとペシュトが「どうして違う街なの?」という説明が抜けてる点か(自明のことなんだろうなぁw)。大雑把に川の対岸に二つの都市があるんですね、ここ。ドイツ人やユダヤ人、バルカン系住人、トルコ支配、オーストリア支配、ソ連影響下などを経てさて今は? と言われるとちと心もとないというかつてのヨーロッパに「最後に来た」民族の国と都市の歴史の話。2010/04/03