中公文庫<br> 陶庵随筆

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中公文庫
陶庵随筆

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  • サイズ 文庫判/ページ数 138p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784122017023
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1195

内容説明

洋服での参内を論争した「大原三位と切腹を賭す」、ビスマルクとの雑談の思い出を綴った「微公の伯林会議談」など、国木田独歩が「一の立派なる文学上の産物」と激賞した表題作の他、小御所会議や戊辰戦争など幕末維新を回顧した「懐旧談」を収載。鴎外・荷風ら当代知名の文士がつどった。“雨声会”を主宰した、文人元老の珠宝の自伝エセー。

目次

陶庵随筆(大院君の一国の骨髄;アコラス翁の政治家;大原三位と切腹を賭す;微公の伯林会議談;水戸斉昭の贈りし瓢;仏の大統領ビスマルク公の賄賂を受く;演説に喝采を得るの秘訣;香山山谷の奴隷 ほか)
懐旧談
陶庵侯に就て(編者 国木田独歩)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

92
最後の元老西園寺公望公の簡潔な随筆と懐旧談。随筆は「微公の伯林会議談」”老人は好みて過去を語り、少年は好みて将来を談ず…”などと格調高き文語調で、読み解きにいささか苦労する。一方「懐旧談」は口語調で断然読み易い。公は五摂家に次ぐ清華家の出。同じく近習を務めた、下級貴族ながら維新政権のリーダー岩倉具視に認められ、18歳で要職の参与に。伏見で戦端が開けた際の情勢判断を「小僧よく見た」と岩倉に激賞されたエピソードは面白い。公の席では小僧などとは決して言わぬ人であったので、よほど嬉しかったのだろうと本人も喜ぶ。2020/07/20

六点

10
国木田独歩の編集による西園寺公望の随筆集と談話である。明治維新の頃の有志公家の息吹が感じられる談話が、ディテール感に満ちてて良い。「白塗りのおじゃる言葉しか喋らぬ公家衆」の魅力的な面が伺える。あくまでも「言ってもいいこと迷惑のかからないこと」が多いが。2019/05/07

おおかみ

7
竹越三叉(与三郎)は西園寺を「天半の朱霞」と評価しているが(国木田独歩「陶庵侯に就て」)、その文章の節々からは確かに、格調高い人格を窺い知ることができる。「古格に泥んでいるようでは迚も天下の事は出来ない(75頁)」といった、洗練された大局的な思想には今なお注目すべきものがあると思う。2010/09/04

午睡

6
維新史の有名なエピソードのひとつに、岩倉具視が西園寺公望の情勢判断に対して「小僧、よく見た!」と快哉を叫んだというのがある。その出所がどこかわからず気になっていたが、灯台もと暗し、本書で西園寺自身が語っていたことだった。洛外の下級貴族たる岩倉が、天皇の近習を勤めるほどの上級貴族たる西園寺に、小僧なんていうかなぁと疑問だったが、やはり言ったらしい。西園寺は「ずいぶんアントリーグもあった時です」とフランス語を交えて回想している。漢籍に加え仏語の達人だった西園寺らしい。細川護貞が激烈な解説を書いている。好!2020/07/15

katashin86

3
「最後の元老」西園寺公望がまだ総理大臣をやるかやらないかくらいの時期にまとめた、さらっとした随筆。鳥羽伏見の戦いのときに宮中で啖呵を切った話や、長州の前原一誠と仲がよかった話など面白いエピソードがちらほら。2016/09/19

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