感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeakisky
1
ヘミングウェイを読めば、気になるのは現代米文学の祖母ガートルード・スタイン。意を決して、このくらいなら買ってもいいかしらと、幾冊か取り寄せる。彼女たちと人生を、突き放すわけでもなく、寄り添うほど近くもなく追う。個性より人種や国民性といった類型的性格を上位に置くところは鼻につく。芯の虚な三人。大事だから繰り返されるのではない。壊れたレコードのような文章。好きでも嫌いでもない人の事でも、知るほどに、ほんのりと好意が芽生える気がしてくる。でもやっぱり好きでも嫌いでもない。窮屈な居心地の悪さ。エピグラフが刺さる。2025/02/27