感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
michel
14
★4.0。あるうなぎ屋の主人が、軽妙な口舌で語る一代記。彼自身の来し方行く末を、あっちこっちと行き来しながら聞き手を操作するように展開してくれる。出会う人、別れる人、火災、震災…人生は複雑な交差の連続だけれど、つまりは単純で、その時その時の心持で生きるしかない。火事場に遭ったら火事場に駆ける…人生は、ただ単純な心持で。2020/09/09
桜もち 太郎
4
明治の吉原大火、大正の大震災そして昭和を生き抜いた鰻や「重箱」の主人の一代記。軽妙なタッチで主人公が独り言のように語りかける。商売の事、家族のこと、浮気相手の事。裏には何もないありのままの語り口は絶妙。あとがきにあった鎌倉から東京に連れて帰ってきた飼い猫寅の死にざまが悲しかった。2015/09/19
押さない
1
一人称視点。語り口が軽快で芝居気がある。落語のような調子。起こっている出来事はなかなか重いのたが、語りが軽やかなので陰鬱にはならずにスルスルと流れていく。2016/09/30
キリアイ
0
言葉づかいや描き方が、軽いタッチで、どんどん進んでいきとても読みやすく、面白かった…。今まで、読んだ作品の中では、暗さはあるんだけど。終わりが明るい感じ。2013/11/09