感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミノムシlove
9
旅行中の伴侶としてこの一冊のみ携行。歴史本だが非常に面白くページをめくる手が止まらなかった。大事なところはメモを残し、明の歴代皇帝系図を一枚に刷り出し、照合しながら読了。明17代、清は7/12(道光帝)代までを時折人間的なエピソードを交えながら物語のように著す田村先生の力や大である。同じ京大系の御大よりよっぽど面白い…。“最後の東洋的社会”の副題があるために、欧州列強との関係を避けられない清朝後半(咸豊帝以降)の叙述がないのが残念。今まで史上最高の名君と信じていた康煕帝、もちろん立派だが順治帝の英明さ→2023/05/09
coolflat
9
明朝(紅巾の乱~)から清朝(~白蓮教徒の乱)までの中国史、ティムール帝国、朝鮮史、オスマン帝国史、ムガル帝国史、そして大航海時代において侵略された側のアジア諸国(フィリピン、モルッカ諸島、台湾、インド)の状況などを扱っている。本書のメインは、明清なのだろうが、個人的にはそれ以外の出来がいいように思えた。500頁余りあるうちの最後の100頁で、朝鮮史、オスマン帝国史、ムガル帝国史は扱われているので、簡略な説明で短くまとめられている。そうした分、むしろ明清よりも、これらの方が分かりやすい仕上がりになっている。2015/10/29
Hiroshi
6
アジアの封鎖的な3つの大帝国、中国の明清、インドのムガール、西アジアのオスマンを見ていき、最後にヨーロッパの資本主義勢力が前記専制国家を侵略することを見る本。明清が中心であるが、チムール、ダヤン=カーン、朝鮮史もある。貧民の末っ子が白蓮教の紅巾軍に入り頭角を現し、群雄の中でも儒教の大義名分を掲げて支持を得たのが朱元璋だ。明を建国して滅夷興漢を旗印に中華の回復を図る。君主独裁を確立し、明律で中央集権化した。3代永楽帝は靖難の役で恩を受けた宦官を優遇し、以後王朝で宦官の横暴が散見される。天子の威光を笠に着た。2023/05/11
俊
6
康煕帝・雍正帝・乾隆帝という名君が続いた時代の歴史は本当に面白い。2018/06/09
読書実践家
6
皇帝独裁の明・清王朝とロシアなどの諸外国と遊牧民との関係をみていく。2016/03/29
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