感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TATA
32
巨匠というべき松本清張さんを初読み。母からもらった一冊。昭和30年代の初期に書かれた短編集。推理小説という風情はなく、人間のドロドロとしたところを描いた作品が多い。こういった題材を皮肉っぽく仕立てれば筒井さんの作風なんだろうけど、そこは丁寧に描きながらも薄暗いところはしっかりと残してもらってます。じゃあ今度は長編の名作に進みましょう。母親文庫はいいものをたくさん教えてくれました、恐るべし(笑)。2018/04/07
Yu。
21
苦い‥ とんでもなく苦い‥ が逆にそれが癖になるという人の暗部を容赦なく焙り出す執拗な捻り技に思わず敬礼!皮肉塗れの七つのダークサイドストーリー。お気に入りは、隠されたお宝の在り処を探す二人の推理劇の面白さに心を掴まれ、悪の上には悪がいるブラックすぎる着地に痺れてしまう「金庫」。事件の影に悪女あり‥ そのストーリー構成の素晴らしさは超絶品!!また鬼畜に成り果ててもラストに魅せる彼女の一言はズシリ‥と来る「黒い血の女」。我慢に我慢を重ねてからの見事な逆転技にスッキリしない者などいやしない「「静雲閣」覚書」。2016/12/01
1goldenbatman
5
「‥傍からみて馬鹿だと思うくらいの人々がだまされるのはやはり人間の本性が欲でできているからでしょう。」=金庫。/「旦那の浮気は突風?」=突風。/「・・だが、居間に置いてある時計がいけなかった。・・」=結婚式/「恩を売って、女房を弄んで殺すー、もう恩人でも主人でもない、畜生だ」=「静雲閣」覚書/等、七編。2019/03/14
パチーノ
4
男と女の愛憎劇を中心とした松本清張の初期の短編を集めた7編からなる短編集。何となくだがこの文庫本の字の小ささが時代を感じる。全体して地味な感じは否めないがこれがなかなかの粒揃いで楽しめる。どれも良いがトリックが印象的な『金庫』や『理由』、『結婚式』が特に好みだった。いつかまた読み返すことになりそうだ。2025/01/31
ピコ
4
この時代には不倫という言葉は無かったのだろうか?”よろめき”という言葉が時代を感じさせる。よかった。2015/02/06
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