出版社内容情報
人口は幾何級数的に増加するが食糧は算術級数的にしか増加しえないことを実証して大きな衝撃をあたえ、今日なお人口問題論の原点をなす名著の新訳。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
32
本書の最初に著者の、「過激な」主張が述べられています。 "わたくしは、二つの公準をもってさしつかえないであろうと考える。 第一、食糧は人間の生存にとって必要であること。 第二、両性間の情念は必然であり、ほぼ現在の状態のままで ありつづけると思われること。" (P22) この文章を意訳すると、こういうことになります。 私は、二つの原理を主張する。 一つは、人間には食べていかなければならない。 二つは、男女間の性欲は当然で、未来に向かってなくならない。 2012/11/22
kaizen@名古屋de朝活読書会
15
人口問題は波動的に再帰する。その都度マルサスの見直しが。BRICSと言われるブラジル、ロシア、中国、インドにおいて,人口問題がいかに経済に影響を与えているかを考える際に読むとよい。経済学では,その理論の前提としている制約条件について明示的な記載をしていない場合がある。記述から類推して,定式化してみるのもよいだろう。ズュースミルヒの「神の秩序」 (統計学古典選集 復刻版〈第3巻 大原社会問題研究所編〉)のような、当時の人口論の状況を知らないと、マルサスの論点の近代的なところが理解できないかもしれない。2019/08/07
koheinet608
7
日本型人口減少に関してのヒントはあまりありませんでした。最近日本型人口減少というのは『心の戦争』を起こしていると考えています。 政府はあまり意味のないことに社会資源(ヒト、モノ、金)を使い続けていますが、これは先の戦争の状況と気味悪いほど似ています。 どう考えたって対応できない変化に以前の論理で対応しようと、今ももがき苦しんでいます。もちろんその犠牲になっているのは国民です。 今の日本は戦時中と変わらないなと感じています。以前は300万人犠牲になりましたが、悲劇がまた繰り返されるような気がします。 2018/03/22
有沢翔治@文芸同人誌配布中
3
「人口は何もしなければ等比数列で増加するが、食料は等差数列で増加する」ので飢饉が起こる。これを防ぐためには貧しい者への施しではなく、人口増加を抑えながら、いかに食糧を増産するか考えなければいけない。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51360460.html2012/08/19
ほにょこ
2
★★★☆☆ ディベートみたいな文章だなと途中で思いました。 人口論って人、口論とも読めますね、ってどうでもいいですね。 食糧は等差級数的にしか増やせないというのは疑問に思いましたが、 土地とかは有限ですから、人口が無限に増え続けることができないことは分かります。 2018/03/27