出版社内容情報
マグレブはアラビア語で・日の沈む国・を意味し、モロッコを中心に、ジブラルタル海峡を挟んでスペインと向いあったアフリカの一角である。ここはオリエント、オクシデント、アフリカの接点であり、また十五世紀に始まる、旧世界と新大陸との再会を準備した所でもある。本書は、アフリカ史を専攻する著者が、日本とは地球半周を隔てたこの地方への・旅・の見聞を語りながら、西洋近代や日本を再考しようとした、異色の紀行文である。
内容説明
マグレブはアラビア語で「日の沈む国」を意味し、モロッコを中心に、ジブラルタル海峡を挾んでスペインと向いあったアフリカの一角である。ここはオリエント、オクシデント、アフリカの接点であり、また十五世紀に始まる、旧世界と新大陸との再会を準備した所でもある。本書は、アフリカ史を専攻する著者が、日本とは地球半周を隔てたこの地方への「旅」の見聞を語りながら、西洋近代や日本を再考しようとした、異色の紀行文である。
目次
第1章 オアシス(アルジェの一隅で;オアシス;暁の声)
第2章 マグレブの中のオリエント(チュニスの青年;ある喧騒;マグレブの中のオリエント)
第3章 ベルベル国家を考える(西へ;ベルベル国家を考える)
第4章 文化のフロンティア(文化のフロンティア;赤い縞;サグレス岬)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
10
マグレブ地方の紀行に同地方や周辺地域を通じた文化、風俗的な考察などを織り交ぜたもの。マグレブをテーマにしたエッセイ集という趣で示唆に富んだ内容。軽い本でなく読むにはパワーが必要だと思う。2020/05/20
はやしま
9
当該地域は政治的な視点でばかり見ているので人類学的視点が新鮮だった。加えての幅広い歴史的視点に著者の博学ぶりがいかんなく発揮されている。文体はやや古臭さを覚えるが、北アフリカの街や村の雰囲気が伝わってくるような、街並みが浮かんでくるような魅力的な筆致。読みながら頭の中でずっと映画「アルジェの戦い」の、あの不思議なドラムを叩き続けるような音楽が流れ続けていた。復刻・再版が重ねられているのも納得の一冊(2007年復刻版再版)。2017/03/10
岡本匠
9
マグレブは、アラビア語で「日の沈む国」を意味する。現在の国では、アルジェリア、モロッコ、チュニジア辺りの地中海に面した地域を指すようだ。 マラケシュなどでの体験から著者は観光についてこう語る。「外来者は、或る、前もってつくられた期待を旅行鞄に入れてその土地に来るが、土地の人は、その期待に添うようなものを旅人に提供しようとする」 そう、観光の多くは用意されたものを予定調和的に体験することでしかない。そうでない旅がしてみたい。2017/02/26
ハヤブサの竜
0
ベルベル人のこと知りたくて読んだが…当時はこの程度で本がだせたんじゃのう2013/09/30
onisjim
0
リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコと昨年あたりからざわついている地域なのだけれども、僕にとっては何よりも船戸与一の『猛き箱舟』の舞台であって、その懐かしさで読んだ。40年前のマグレブを軽めのタッチで描いたスケッチのよう。『悲しき熱帯』の名訳文から期待していたほどではなかったが、まあまあだった。2012/05/13