内容説明
日清戦争、講和会議、三国干渉…外交の要諦とは何か。外交指導とは何を指すか。なぜ本書は三十四年間“秘本”扱いにされたのか。
目次
蹇蹇録
論説
著者等紹介
陸奥宗光[ムツムネミツ]
1844~97。明治中期の政治家。和歌山藩士の第六子に生まれるが藩内の政争で父が失脚し、貧苦のうちに育つ。京都で坂本龍馬を知り、海援隊まで行を共にする。維新後は新政府に出仕し知事を歴任、大蔵省を経るが、西南政争時に政府転覆計画に加担し入獄するなど蹉跌を経験する。出獄後欧州外遊、帰国後外務省に転じ駐米公使となると、メキシコと対等条約、アメリカとの改正通商条約に調印する。第2次伊藤博文内閣で外相就任、イギリスと新条約を調印するなど条約改正問題に尽力した
萩原延寿[ハギワラノブトシ]
歴史家。1926(大正15)年東京都台東区出身。旧制三高卒業後中学教員を経て東京大学法学部、同大学院に進学、卒業後国会図書館に勤務。米ペンシルベニア大、英オックスフォード大に留学後、著述活動に入る。2001(平成13)年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
22
治外法権と領事裁判制度の区別(154頁~)。罪人庇保、罪人引渡し、服従、帰化、交戦、局外中立等にかかる各種の問題は、境界に横たわるところの空地を填充する問題としてみるを得べし。現今わが国における外国裁判制度は、領事裁判管轄にして治外法権にあらず(155頁)。2015/05/17
ふら〜
1
岩波文庫版ではなくこちらを読了。日清戦争時の外交を口述筆記ということで、色々興味深いことが目白押し。下関の前に広島でも講和の交渉をしようとしてたんだな。面白い。2017/04/23
LeoPong
0
日清戦争前後の外務大臣による回顧録。日清戦争については、学生の頃に教科書を読んだレベルだったのだが、当時の日本がどのような企図を持って戦争に至ったか、時の大臣による記録を読むことにより理解が深まった。戦争に勝つと国民が熱狂し、好戦的な空気が満ち溢れていたようである。当時は軍部よりも世論の暴走の方がやっかいだったのでは、という印象を持った。2015/09/28