中公クラシックス
平民主義

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  • サイズ B40判/ページ数 390p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121601520
  • NDC分類 309
  • Cコード C1221

内容説明

「平民主義」に「デモクラシー」とルビをふり、格差社会を食い破り、軍国化に果断な抵抗をすべく奮闘を続けた初期社会主義者の書。

目次

小引
序にかえて
社会主義
非戦論
思想と趣味
下獄と外遊
撃石火(抄)

著者等紹介

幸徳秋水[コウトクシュウスイ]
1871~1911。明治期の思想家、ジャーナリスト。本名伝次郎。土佐中村の旧家に生まれるが、父を早く亡くして苦学する。中江兆民に師事する。新聞記者となり『万朝報』で健筆をふるい、社会主義思想に接近する。日露開戦論に反対して万朝報を退社、『平民新聞』を刊行するも数度の発禁処分を受ける。病気療養と社会主義運動視察を兼ねて渡米、帰国後の1907年、日本社会党大会で直接行動論を唱える。10年の信州明科爆裂弾事件を手がかりとした捜査で起訴され、フレームアップされた「大逆事件」で刑死

神崎清[カンザキキヨシ]
評論家。ジャーナリスト。1904(明治37)年、香川県生まれ。28(昭和3)年、東京大学文学部国文科卒業後、大森高等女学校の教師を勤め、34年から明治文学談話会を主宰して機関誌「明治文学研究」を刊行。大逆事件に関心を持ち、25年を費やして大著『革命伝説』を著す。戦後は売春問題とも取り組む。79年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬参仟縁

33
土佐の小京都、四万十市に薬種業と酒造業を営む富裕な商家に生まれた(3頁)。伝次郎君は社会主義者になった理由として読書(『孟子』『三酔人経綸問答』、H.ジョージ『社会問題』『進歩と貧窮』)をあげている(6頁)。知能があっても、正直者が、困窮している。いくら労働しても、質朴な人間が、生活に困っている。仕事にありつけないで、すき腹をかかえている。失業して生活の基盤をうしなっている(22頁)。現代日本人も相当数いることはいると思う。2016/05/06

BLACK無糖好き

5
幸徳秋水が生前に帝国主義を批判し、「自由」「平等」「博愛」を理想とする社会を目指して「平民新聞」他に残した論説文集。日露戦争の時期は庶民が提灯行列で浮かれまくる中、徹底した非戦論を唱え続ける。畳み掛けるような論調でグイグイと読むものを引き付ける筆力は圧巻である。養生での渡米先でサンフランシスコ大地震にみまわれ、震災直後の無政府状態の経験を革命後の社会になぞらえる発想が凄い。しかしこの時代社会主義者への弾圧は強まり、大逆事件の首謀者にしたてられ死刑となり41歳で生涯を閉じる。やはり山県有朋恐るべし。2014/12/20

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