著者等紹介
チャーチル,ウィンストン[チャーチル,ウィンストン] [Churchill,Winston Leonard Spencer]
1874~1965。イギリスの政治家。53年、『第二次世界大戦』の功績でノーベル文学賞受賞。晩年はしばしば「現代の最も偉大なイギリス人」と評された
中村祐吉[ナカムラユウキチ]
1901(明治34)年、三重県生まれ。東京帝国大学文学部英文科卒業後、姫路高等学校(旧制)教授、新潟高等学校(同)教授を経て大阪府立図書館長に就任。66(昭和41)年退任後、大阪樟蔭女子大学教授を務める。専攻・図書館学、英文学。85(昭和60)年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
23
1930年初出。ヴェルサイユ講和会議では、仏語と英語が公式言語として 初めて併用(15頁)。7歳のとき、悪戯坊主(17頁)。家庭教師に連れられて、弟とスイスへ徒歩旅行に出た(52頁)。チャーチルはギボンを耽読。私見を余白に書き込み、著者に感銘するも、註釈の批評には反対の気持ちを抱いた(139頁)。プラトン『共和国』。アリストテレス『政治論』。マルサス『人口論』。ショーペンハウエル『厭世主義』。ダーウィン『種の起源』も愛読(141頁)。 ウィンウッド・リード『人間の苦難』。2014/11/05
masabi
19
【概要】幼少から下院当選までのチャーチルの自伝。【感想】評伝を既に読んでいたのに貴族階級の出、士官学校出身だったことに驚いた。他国に赴く、新聞社の特派員になるなど戦争に参加することへの執念が凄まじい。好戦的とも取れる思考が第二次世界大戦で彼を英雄に祭り上げ、冷戦下で疎んじられた原因となる。 世界大戦以前の戦争に対するロマンの源流がどこにあったのか知りたくなった。それとも戦争の華やかさはある程度共有されていたのだろうか。2019/07/26
リップ
18
思ったよりもくだけた文章で、日記のような読みやすさがあった。ユーモアが感じられて、歴史上の知識でしかなかった人物が、きちんと一人の人間として認識するようになった。歴史をただの知識としてしか見られないのが、私たちの受けてきた教育だと思う。もっと色々な角度から歴史が見られるような人間になりたい。2015/01/12
春ドーナツ
9
「Assassin's Creed Syndicate」(Ubisoft)でチャーチルからある任務を託される。「アニムスデータベース」を参照すると「ノーベル文学賞受賞」とある。「誤訳だろう」と思った。「平和賞」ではないのかと。***私は浅学菲才であった。ここで好奇心が湧く。Wの文体を鑑賞してみたい。本書の翻訳は戦時下に進められていたそうで、「言葉の壁」に突き当たる。所期の目標を充たせたのだろうか? 第2次ボーア戦争中、トランスヴァールの首都プレトリアの捕虜収容所からの脱出談は、Wの十八番で満喫したけれど。2018/04/02
デューク
4
「現代のもっとも偉大なイギリス人」とまで言われる政治家、ウィストン・チャーチル。 彼の出生から、落第生だった士官学校時代、インドでの従軍、ボーア戦争での大冒険、26歳で下院議員になるまでの半生をつづった自叙伝。尽きることない行動力と、揺らぐことのない自信と、諦めることのない粘り腰と。栴檀は双葉より芳しの言葉通り、後に彼が首相として示した資質が、いかんなく発揮されているのが興味深い。チャーチルの政治家としての資質と、文筆家としての才能の、双方を堪能できる一冊。おすすめ2016/06/22