内容説明
ナチスを批判し、マルクス主義に強烈に反発する。「不機嫌」を隠さない、自由主義者の透明な視線。
目次
昭和の精神史
独逸・新しき中世?
若い世代
昭和十九年の一高
学生事件の見聞と感想
著者等紹介
竹山道雄[タケヤマミチオ]
昭和の文学者・評論家。東京帝国大学独文科卒。戦中・戦後期の一高教授、東大教授。戦前はヨーロッパに留学し、帰国後ゲーテ、シュバイツアー、ニーチェの翻訳に従事するも、ナチスの蛮行を嫌い、日本軍の戦争遂行策にも懐疑的であった。戦後児童文学の傑作『ビルマの竪琴』を発表、傷ついた民族と死者たちを音楽を通じて鎮魂するという繊細な感受性に富んだこの作品は大きな評判を呼んだ。他方、旺盛な評論活動を展開し、流行した左翼思想の公式見解にナチスとの等質性を見て、純粋なヒューマニズムから左右の全体主義を批判した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
80
竹山道雄という人は、「ビルマの竪琴」の作者ということと、左翼学生や知識人からは反動的だということを言われていますが私は良識人であると思います。戦前にヨーロッパでドイツ文学を研究したもののナチスの全体主義にうさん臭さを感じ、さらに戦後の左翼活動にナチスと同じ全体主義的なにおいを感じていた、というところが真相です。この本を読むとよくわかります。昭和20~30年代のマスコミはこのような人々を闇に追いやった気がします。2015/09/24
kozawa
2
非常に興味深く読んだ。そりゃ左翼批判に首をかしげたくなる点もあるし、今から見れば間違ってることもあるけれど、戦争を批判的に見ながら過ごした世代として、この時期にこの視点に立っていたというのは今から見て尊敬に値する。2011/03/01
Lieu
1
著者の本業はドイツ文学者だが、ドイツの文化や学問、政治について書いているところはどこか醒めていて、日本とドイツの状況をきちんと区別して論じている。いつの時代も外国文学者は、留学の期間が長いと、自分の意識では良識的なコスモポリタンであっても、そのじつ学んだ国の論理に無批判に飲み込まれているだけのことが多いが、本来この著者のようにあるべきだと思う。2021/01/26
残心
1
当時の現場に居ながら、平成の世から見ても遜色ないほどの冷静な分析をしていて驚くほどであります。 満州事変あたりの日本は意外と思えるほど自由であり、言論も言いたい放題で、拘束どころか破壊的だったようで、いま現在と重ね合わせてみることもできそうです。 この本が文庫か新書あたりで常に購入できるようになっていないのが不思議。(ななめ読み)2017/06/11
ねこみ
1
近代人は過大な欲望と過少な人格とを持った人間である。近代人は内容なく多忙で、無思想で、散漫で、集中しえない。2011/08/11




