中公クラシックス 政治学

アリストテレス【著】〈Ａｒｉｓｔｏｔｅｌｅｓ〉/田中 美知太郎/北嶋 美雪/尼ヶ崎 徳一/松居 正俊/津村 寛二【訳】

中央公論新社（2009/11発売）

• サイズ B40判／ページ数 351p／高さ 18cm
• 商品コード 9784121601131
• NDC分類 311
• Cコード C1210

出版社内容情報

プラトンに学び、アレクサンダー大王の師となり、古典ギリシアの学問を分類・整備・集大成した巨大な哲人の政治思想上の古典中の古典

目次

第１巻（国家は他の共同体と同一視されうるか；国家社会をつくるのは人間の自然の本性にもとづく）
第３巻（市民国家における市民の意味；市民の実用的な定義とその疑点　ほか）
第４巻（政治学の扱うべき諸問題；諸国家体制の間の優劣の差、およびそのうちこれから取り扱うものとその問題点　ほか）
第５巻（問題―内乱と体制変革の原因は何か。それに対処する有効策は何か；内乱と変革の原因―一般的考察　ほか）
第７巻（最善の（もっとも幸福な）生活の規定
個人と国家の善（幸福）に関する諸説　ほか）

著者等紹介

アリストテレス［アリストテレス］［Ａｒｉｓｔｏｔｅｌｅｓ］
前３８４～前３２２。古代ギリシアの哲学者。プラトンの「アカデメイア」に学び、アレクサンドロス大王の師となった。アテネ郊外に学校「リュケイオン」を創設。その学徒は逍遙（ペリパトス）学派と呼ばれる。形而上学、論理学、政治学、詩学などの学問分類を行い、古典期にいたるまでのギリシアの学問を整備・集大成した。「オルガノン」と総称される論理学関係の諸著書をはじめ、「自然学」「動物誌」「ニコマコス倫理学」など著作多数

田中美知太郎［タナカミチタロウ］
１９０２年（明治３５年）新潟県生まれ。京都帝国大学文学部哲学科選科修了。京都大学教授、退官後は名誉教授。文化勲章受章。１９８５年逝去

北嶋美雪［キタジマミユキ］
１９３３年（昭和８年）神奈川県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。学習院大学教授を経て、２００３年（平成１５年）名誉教授

尼ヶ崎徳一［アマガサキトクイチ］
１９３１年（昭和６年）長崎県生まれ。京都大学文学部卒業。金沢大学教授を経て、龍谷大学教授。２００３年逝去

松居正俊［マツイマサトシ］
１９３６年（昭和１１年）大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。弘前大学教授を経て、２００１年（平成１３年）名誉教授

津村寛二［ツムラカンジ］
１９３４年（昭和９年）大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士過程単位取得退学。帝塚山大学教授を経て、２００５年（平成１７年）名誉教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Happy Like a Honeybee]

国政で平等に参与することを競って要求するのは、自由・富・徳なのである。寡頭制と民主制。王制の諸形態や独裁制など統治機構について書かれた本である。現代でも全く遜色なく学習出来るのは、内容が優れている古典だからであろう。民主制こそ、堕落した逸脱形態の国家体制の中で一番安定した体制とは皮肉である。

2017/02/04

[の]

アリストテレスの生きた紀元前3世紀と現代21世紀の間で、ほとんど政治の意義の違いが無いのに驚き。市民の動かし方、政権を長く保持する方法等々マクロな視点から、家庭内での不和のミクロな視点まで「支配と被支配」で一つに繋げて考え、それがまるで国家を理論で解体しているかのようで面白かった。

2010/09/22

[kozawa]

案外、彼の時代から政治は進化してないとも思える

2010/02/16

[dwarf]

ごく限られた優秀な哲学者のみが、大衆の意見に惑わされることなく、唯一の真理に基づいて国政に携わるべきだと考えたプラトンに対し、アリストテレスは、幅広い大衆が国政に参与することの重要性を説きました。エリート支配のプラトンvs大衆による政治参画のアリストテレスというコントラストが見えて面白かったです。 ブログでもご紹介しています。 http://ontheshouldersofgiants.hatenablog.com/entry/2018/05/02/010304

2018/05/02

[patito]

近現代の著作を読んでアリストテレスに戻ると、「市民」って選挙民のことのように思われます。アリストテレスの市民って結局は「アテネ」の市民・・・それでもおそらくアリストテレスが最初に「自由な市民」のようなことを言及しているは共感です。