出版社内容情報
東洋でも西洋でもなく、資源に恵まれない日本ゆえ「通商国民」として大きな利点を持つ。先天的海洋国家として生きる日本の指針。
目次
現実主義者の平和論
外交政策の不在と外交論議の不毛
二十世紀の平和の条件
二十世紀の権力政治
中国問題とはなにか
核の挑戦と日本
海洋国家日本の構想
著者等紹介
高坂正堯[コウサカマサタカ]
1934~96。国際政治学者。哲学者・高坂正顕の次男として生まれる。京都大学法学部で国際法学者・田岡良一に師事し、卒業後ハーヴァード大学留学。1963年『中央公論』に「現実主義者の平和論」を発表して論壇に登場する。冷戦時代から共産主義国家には批判的で、現実に即した保守政治評価や国際政治観を表明した。専門は国際政治学、ヨーロッパ外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark
20
今から50年以上も前の論文ですが、現在においても通用する考え方、慧眼があらわされていると思います。あくまで現実を直視しなければならないという原理原則は、えてして情緒がちになりがちな今の論壇に対する警鐘である。2020/02/02
おせきはん
17
50年以上前に書かれた高坂正堯先生の初期の論文集です。日本の政治の状況、中国との向き合い方などについて、現実主義の立場から論じられています。問題の本質が現在と同じであることに驚きました。2020/02/18
masabi
16
イデオロギーではなく現実を直視し、そこを出発点とすることから分析を始める。歴史も分析のファクターとなる。執筆当時は中国の核保有が問題となり現在では海洋進出が問題となっている。道としての海だった当時より資源の海となった現代は海の重要性は増している。また日本は海に囲まれ資源を輸入しなければ存続できないという点は現在でも変わらない。しかし、海は諸外国との交流も隔絶することもでき、米軍占領と相まって世界に対する視野を失ってしまった。この視野を回復することが急務となる。2015/04/15
かんがく
14
冷戦真っ只中の1960年代に書かれた国際関係論だが、現代にも読む価値はある。核兵器の時代において、平和を実現するために何をすればよいのかを、現実主義の視点から描いている。対中国関係の提言、非武装中立への批判など、当時は大きな衝撃を与えたのだろうなと思った。2019/07/07
Tomoichi
11
子供の頃にテレビでは拝見していたが著作を読むのは初めて(他人名義での著作はあり)。著者の考えに100%賛同ではないが戦後左翼が言論界を牛耳っていた時代に中道や保守派に与えた影響を考えると昭和・平成の国会議員の外交政策を読み解く上では必須かも。核兵器に関する考察は今も通用する。2015/05/03
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