出版社内容情報
長命の儒者が、自分はどう生きたか、その間に健康についてどれだけの配慮をしたかを書いた肉体的自伝。
内容説明
長寿の儒者が最後まで大事にしたのは自然治癒の感覚だった。
目次
養生訓
楽訓
和俗童子訓
著者等紹介
貝原益軒[カイバラエキケン]
1630~1714。江戸前期から中期にかけての儒学者、博物学者、教育家。名は篤信、号は損軒、晩年に益軒と改めた。筑前福岡藩主黒田家に仕えた。藩費で10年間京都に遊学する間に、朱子学者、博物学者と交際し、上方に興りつつあった経験・実証主義思潮に触れたのが、その後の学風に生かされた。膨大な編著は各方面にわたり、儒学では『大疑録』、博物学では『大和本草』『花譜』『菜譜』などがよく知られる。晩年には『養生訓』『大和俗訓』など多くの教訓書を書いた
松田道雄[マツダミチオ]
医師、育児評論家。1908年(明治41年)茨城県生まれ。京都帝国大学医学部卒業。戦後、京都で小児科医を開業するかたわら医療、育児、教育、社会・政治など万般にわたる評論活動を行う。1998年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紙狸
14
2005年刊行。貝原益軒に関心を持ち、職場の図書室で借りた。「養生訓」「楽訓」「和俗童子訓」の現代語訳を所収。解説や年譜、本文それぞれに興味をかきたてられた。福岡藩士の子で、8歳の年に父親が島原の乱で従軍。この乱の後は平和が続いたのだから、益軒という思想家は太平の世の産物といえる。巷間「接して泄(もら)さず」として知られるくだりについて、深澤一幸氏は、中国の原典を基礎に体験からの判断を加えたもの、と解説。ただの儒学者ではなさそう。どの作も基調に「天地」への信頼があって明るい。2022/02/11
吟遊
7
平和な世に静かに生きたひとだ。朱子学の系譜2019/12/08
hitsuji023
5
養生訓は健康について事細かく書かれていて、これを全部実践するのは大変そうだ。自分にとって役立ちそうな部分を参考程度に生かすのがよさそうだ。自分にとっては養生訓よりも、楽訓の方が良かった。楽しむことの大切さを説いている。読書、旅行などなど。2015/06/07
讃壽鐵朗
4
天地の理で四季の美しさを書いた部分は、まるでヘンリ・ライクロフトの私記を読むようであり、素晴らしい2017/01/23
モート
2
加えて、楽しみのすすめの楽訓と教育論の和俗童子訓がのっている。養生訓の目的は、「人生をより長く多く楽しむための健康法」。和俗童子訓は、それをいかに十分享受できる大人に育てるための手引き。楽訓で「かえすがえす我も人も、生まれついた楽しみを知らないで、身を無駄にし、甲斐なく朽ちていくのは残念である」と言っている。楽訓があることで養生のモチベーションが高まり光り輝くから是非セットで読みたい❗️2018/09/05